2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

交通事故 タコグラフ

交通事故 タコグラフ 過失、過失相殺を考える上では事故を再現することが重要となる。実況見分調書や保険会社の事故当初の記録、アジャスターによる事故車の写真など現場を押さえる材料はだいたい決まっている。 大切な現場での情報の一つに最近では計装機器…

交通事故 はじめての弁護士

交通事故 はじめての弁護士 初めて弁護士事務所の門をたたく場合、通常は電話から始まります。 電話をかけると事務員さんが電話で対応し、おおよその用件をお尋ねします。このときに、予約を入れるのですが、中にはいろいろ心配事を尋ねる方もいらっしゃいま…

交通事故 2つの事故

交通事故 2つの事故 1つめの事故から症状固定前に第2の事故の遇ってしまうことがある。 このような場合、第1事故と第2事故の保険会社がそれぞれ話し合い、責任の割合を決めて対応してくれる。 しかし、たちが悪い場合、例えば、第1、第2のいずれの加害者が…

交通事故 裁判ってこわい?

交通事故 裁判ってこわい? 交通事故 裁判ってこわい? 死亡事件の相談があった。損保から金額が提示され、例によって金額は低額だった。 この事件は裁判をした方が適切な事例だと思うのだが、遺族はいやがっていた。 その理由は、裁判までしてお金を取ろう…

交通事故 弁護士との相談の時期

交通事故 弁護士との相談の時期 「弁護士さんといつ相談したら良いのでしょうか。」という質問をよく受ける。 原則は3つの時点がある。 ① 事故直後 これは証拠の保全であるとか、傷害の把握であるとか、いくつかあるので相談した方がよいかと思う。 事故後の…

交通事故 探偵

交通事故 探偵 交通事故で激しい争いになる場合、保険会社が探偵を雇うことがある。尾行し、被告に都合の良い場面を撮影する。たとえば、杖をついてしか歩けないという主張をしている場合、玄関口などで杖なしで歩いている様子を撮影したりする。あるいは、…

交通事故 保険会社を訴えたい!

交通事故 保険会社を訴えたい! 今日依頼者と打ち合わせていて、依頼者は「保険会社を訴えたい!」という。 無理もない、依頼者は交通事故で将来を台無しにされ、ひどく苦しんでいるのだが、加害者も保険会社も、うそつき扱いだった。 加害者は依頼者を当た…

交通事故 とてもむずかしいアロディニアの発生機序

交通事故 とてもむずかしいアロディニアの発生機序 痛みというのは疼痛と呼ばれている。 痛みについては、侵害受容性疼痛(現実に傷ができて痛いと反応する場合)と、神経障害性疼痛(末梢神経から脳に至る神経経路のどこかに傷害が生じた場合)との2つに分…

交通事故 人身傷害保険先かあとか

交通事故 人身傷害保険先かあとか 人身傷害保険は被害者が何らかの事故に遭遇した場合に損害を填補する保険だ。加害者になった場合に支払われる保険とは根本的に発想が異なる。 人身傷害保険は保険約款によって支払われる保険金額が決まっている。保険基準額…

交通事故 患者・被害者情報の管理

交通事故 患者・被害者情報の管理 交通事故が起こると、加害者の損保担当者が登場して、被害者の情報をいろいろ集める。 ① 事故時 事故車両の写真、事故直後の関係者の聞き取り、現場写真、被害車両の修理見積書、実況見分調書など ② 通院中 被害者から同意…

交通事故 労災の特別支給金にご注意を

交通事故 労災の特別支給金にご注意を 交通事故が労災になる場合、通常の労災保険給付とは別に特別支給金が支給されます。 例えば、休業補償給付 支給決定通知をよく見ると、「保険給付額」と「特別支給金額」とに二つに分かれています。 前者は労災にともな…

交通事故 人身傷害と過失相殺

交通事故 人身傷害と過失相殺 あらかじめ人身傷害保険から保険金を受領した場合、加害者に対して損害賠償請求をする金額は、保険金から被害者の過失に相当する損害分を差し引いた残りを損益相殺として加害者に請求する損害から差し引くという方法となります…

交通事故 アロデニア

アロデニアとういう症状がある。 外傷をきっかけに生じる激しい痛みだ。末梢神経の障害と説明されているがそのメカニズムは分かっていない。そのため、交通事故被害ではしばしば無視されがちな症状になっている。しかし、メカニズムが不明であることと、被害…

交通事故 「事故の関与を否定できません。」

交通事故 「事故の関与を否定できません。」 交通事故、後遺障害、特に神経症状を争うような場合に、診断書に 「事故の関与を否定できません。」と記載されることある。医師はどちらかというと科学者的なので、不確かな問題については、断定しない。断定しな…

交通事故 高次脳機能障害の立証

交通事故 高次脳機能障害の立証 高次脳機能障害被害者の事件を被害者といっしょに取り組んでいる。 高次脳機能障害の場合、自賠上は血腫であるとかなんらかの脳の外傷の痕跡が求められる。しかし、いつもそれがあるとは限らない。 そこで、それに代わるもの…

交通事故 難しい疾患に対する対応

交通事故 難しい疾患に対する対応 交通事故分野で最も難しいのは症状の割に所見がないという事例だ。手足、腰のしびれ、麻痺、痛みが激しいのに整形外科的な所見がないような場合だ。レントゲン写真やMRIでは圧迫所見や炎症を示す所見が無い、筋電図や神経伝…

交通事故 慰謝料の種類

交通事故 慰謝料の種類 慰謝料というのは精神的苦痛に対する賠償責任です。 交通事故の場合、いくつかの慰謝料があります。 ① 後遺障害慰謝料 これは後遺症が残った場合に認められる慰謝料です。将来にわたって、後遺障害に悩まされ、精神的にも苦痛があるの…

交通事故 逸失利益とは何か?

交通事故 逸失利益とは何か? 交通事故によって傷害を負った場合、治療効果がないところまでいきつきます。その時残る被害を後遺障害といいます。 後遺障害がある場合には、その分、働けなくなるというのが逸失利益の考え方です。たとえば、後遺障害14級と認…

交通事故 医師の意見書

交通事故 医師の意見書 交通事故の被害の場合、ある程度類型化されているので、だんだん慣れてくると医師の意見書の原案を書けるようになってくる。医師も忙しいので弁護士で原案を作成して、検討してもらい修正してもらうことになる。「門前の小僧習わぬ経…

交通事故 保険会社との対応

交通事故 保険会社との対応 【よい損保】 損保は被害を弁償してくれるが、よい保険会社は被害者の立場を考慮しつつ、対応してくる。 時には被害者の気づいていないことを言ってくれる損保もある。被害者ではわからない部分はある程度あいまいにして、被害者…

交通事故 非該当,14級,12級,裁判所の発想

交通事故 非該当,14級,12級,裁判所の発想 交通事故で最も多いのが神経症状だが14級から12級へとなると非常に難しい。 自賠責による基準が他覚的に説明できるかどうかをめやすとしているが,裁判所がどのように考えているかについてはよく分からない。裁判…

交通事故 難しい病気に陥る罠

交通事故 難しい病気に陥る罠 高次脳機能障害,胸郭出口症候群,バレ・リュー症候群,脳脊髄液減少症,RSDなどなど,交通事故では判断の難しい病名が出てくる。 これらの病名が出てきた場合,時に,いかなる病名であるかが争点になっていくことが少なくない…

交通事故 被害者の証人尋問

交通事故 被害者の証人尋問 交通事故では被害者の証人尋問は必ず行われる。 被害者の証人尋問では加害者の過失行為,被害者の落ち度の有無,被害・損害の3つが通常問題とされる。 このうち,もっとも対策が必要なのが被害者側の落ち度の有無だ。 例えば,歩…

交通事故 神経症状

交通事故 神経症状 人は背骨で体を支えている。身体に強い衝撃が加われば、当然体を支えている背骨に衝撃が集中することになる。背骨の中でも首、腰は大きい。 背骨には脊髄という大きな神経の束があり、そこから末梢部に向かって神経がつながっている。交通…

交通事故 保険会社の対応と慰謝料

交通事故 保険会社の対応と慰謝料 今日、交通事故の依頼者とうちあわせた。この被害者は加害者や保険会社に当たり屋呼ばわりされてとても傷ついている。いつまで治療を続けるのだというというようなことも言われてきた。 しかし、後遺障害は神経症状中心では…

交通事故 実況見分調書

交通事故 実況見分調書 実況見分調書は事故後警察官が調査して作成するものだ。事故直後であることや、当事者双方が立ち会うこと、日本の警察という非常に専門性の高い職員が作成することから、けっこう信用されている。 しかし、実際に事故を再現することに…

交通事故 高次脳機能障害と易疲労性

交通事故 高次脳機能障害と易疲労性 交通事故で頭に強い衝撃があると、それにより脳が害されてしまう。脳細胞が何らかの形で破壊されれば精神活動に影響がある。人間の場合、脳が高度に発達しており、脳の損傷は深刻な打撃になる。しかし、脳の働きは多岐に…

交通事故 高次脳機能障害の論点の構造

交通事故 高次脳機能障害の論点の構造 高次脳機能障害については時には複数の弁護士で取り組まなければならない事件がある。 弁護団会議では「論点」と言われる争点を整理し、その項目毎に弁護士で分担を図っていく。弁護団会議が機能するかどうかはこの論点…

交通事故 RSDと厚労省基準 批判的検討メモ

交通事故 RSDと厚労省基準 交通事故によってCRPSⅠ、RSDが生じることはまれではない。 このRSDについて厚労省は平成15年に通達を出し、「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準」という通達を出して、判断基準を示している。 → http://www.mh…

交通事故 高次脳機能障害と易疲労

交通事故 高次脳機能障害と易疲労 高次脳機能障害の一つに注意障害というのがある。 脳の心理的な機能は「覚醒度や注意力が基盤にあり、記憶や遂行機能が保たれ、さらに上位の機能である論理的な思考力や自身の障害の気づきが成される。」 この注意力である…