認定、被害の立証

交通事故 保険会社の手持ち資料

交通事故 保険会社の手持ち資料 保険会社の手持ち資料はかなり多い。事故直後の車両の写真、アジャスターの資料、被害者からの聞き取り、病院からの聞き取り、病院に対する問い合わせと多様に存在する。実況見分調書なども取り寄せていることもある。これら…

交通事故 カルテを読み解く

交通事故 カルテを読み解く 交通事故では後遺障害の程度を争うことが時々あります。この場合、カルテなど医療関係の記録は極めて重要な位置づけを持ちます。もちろん、カルテが正確だとは限りません。本人が頭痛を強く訴えているにもかかわらず、医師が相手…

交通事故 カルテを読み解く

交通事故 カルテを読み解く むち打ち症などでは、弁護した直接本人に確認した被害と医師が診断書に書いている被害と異なる印象を持つことがある。見た感じ重いと思うのだが、非常に軽く書いていあることがある。 例えば、本人に腰痛があって痛そうにしている…

交通事故 過去の事故の影響

交通事故 過去の事故の影響 過去に14級認定され、10年後にまた追突事故に遭うという被害者がいる。同じく、むちうち損傷が生じているのだが、自賠責は過去に14級に認定されているので、重ねて認定しないとした。 しかし、14級の場合、労働能力喪失期間は5年…

交通事故 工学鑑定

交通事故 工学鑑定 交通事故は自動車と歩行者、自動車と自動車など、物理的な衝撃が原因して生じる。事故の態様によってはどちらに非があるかわからないことはめずらしくない。とりわけ、死亡事故では被害者が死亡して目撃者が加害者しかいない状態であるた…

交通事故 12級と14級のはざま

交通事故 12級と14級のはざま しびれ、痛み、脱力といった神経症状は難しい事例が多い。医師が「ヘルニア」、「圧迫骨折」などの所見を示しても、画像上明確ではないとして14級としたりする。 理不尽だと思うのは、画像上ある程度圧迫所見がある場合であって…

交通事故 自宅改造費

交通事故 自宅改造費 高次脳機能障害や、重度のマヒなどがある場合には自宅を改造する。玄関、風呂場、トイレ、車いすリフ、玄関口などいろいろと改造の必要がある。 このとき、私はできるだけ、補助金をもらうように勧めている。障害者のために自宅などを改…

交通事故 3重の事故

交通事故 3重の事故 3ヶ月間に3回の追突事故があった相談を受けた。いずれも信号に従って停止していた際の事故だから、被害者側にはなんの落ち度もない。こんな不幸なことが重なるとは、何か取り憑かれてるんじゃないかと心配するのは無理はない。 この場合…

交通事故 医療記録

交通事故 医療記録 後遺症認定を争う訴訟ではカルテなどの医療記録の検討は避けられない。カルテを見るときには通院日数、通院間隔といった基礎的な部分を検討する。 多くの病院は診療初期に情報を集中的集めるため、最初の3回ぐらいの記録が特に重要だ。患…

交通事故 事業主の損害

交通事故 事業主の損害 個人事業の事業主が事故により死亡し、廃業を余儀なくされた場合に会社そのものの損害は賠償請求できるでしょうか。 例えば、設計など社長個人の技量に会社経営が依存している場合、社長が事故にあって図面が書けなくなると会社はつぶ…

交通事故 難しい、損害の算定

交通事故 難しい、損害の算定 交通事故によって、後遺障害を残した場合、例えば12級と認定された場合、法律上の建前は働くことができるという前提です。しかし、実際には職を失ってしまうことがあります。人生は大きく変わり、不幸が一生ついてまわるような…

交通事故 「痛み」という被害

交通事故 「痛み」という被害 交通事故での痛みの被害というのはもっともやっかいな被害の一つです。 「痛い」という感覚は言葉で表現できても客観的な所見がある訳ではないからです。 そこで、私たちは「痛み」を医学的な視点にたって分析していきます。臨…

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (2)

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 (2) 前の記事から続きます。 画像所見、神経学的な検査所見が見られないこの事例ですが、生活上の被害が著しいので5%はひどいじゃないかというので、かなり力を入れて訴訟を進めました。その立証方針は単純です。…

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例(1)

交通事故 神経症状で喪失率9%となった事例 腰部についてMRIについては「椎間板の膨隆」はあるものの神経根、脊髄の圧迫所見は見られません。腱反射は正常で他覚的に神経系統の障害を示す検査結果はありません。わずかに後遺障害診断書に腰椎すべり症、椎間…

交通事故 14級と12級

交通事故 14級と12級 交通事故での神経症状の後遺障害は14級から12級へと飛んでしまいます。教科書的には14級は明確な医学的な立証はできない場合、12級は他覚所見など明確に医学的に立証できる場合と説明します。しかし、交通事故における現実の被害はこの…

交通事故 自賠の後遺障害認定は厳しい

交通事故 自賠の後遺障害認定は厳しい 後遺障害認定は損害保険料率算出機構が判断します。 → http://www.nliro.or.jp/index.html この後遺障害は医学的な見地もあるが、あくまで法令に定められた自賠責後遺障害の程度を認定する作業に過ぎません。後遺症認定…

意外と難しい圧迫骨折と後遺症

意外と難しい圧迫骨折と後遺症 交通事故で腰部に強い衝撃を受けて圧迫骨折になることがあります。脊椎の圧迫骨折というのは、脊椎が押し潰されるように変形してしまう骨折です。圧迫骨折の程度によって脊柱に障害を残すものとして後遺障害と認定されます。「…

症状固定後の二度目の交通事故,特別な戦略

症状固定後の二度目の交通事故,特別な戦略 私の経験した交通事故事件で症状固定後、交渉前にまた交通事故事故にあった事件があります。この場合、第一の交通事故で症状固定し、かなり重かったのでもっぱら第1交通事故のみで交渉を進め訴訟も行いました。 …

症状固定後に,二度目の交通事故が・・・

症状固定後に,二度目の交通事故が・・・ 不思議なことに,何度か交通事故にあう人がいます。 その中には症状固定後にまた交通事故にあったという依頼者はあります。この場合,前の交通事故によりすでに後遺症認定されていると,新しい事故については後遺症…

交通事故 交通事故では「間接事実」が大切

交通事故 交通事故では「間接事実」が大切 私たちが交通事故事件で立証と言うとき,間接事実というのが非常に重要となります。この間接事実の設定では弁護士の能力が試されることになります。 例えば,交通事故の「痛み」という被害を立証するとき,いくつか…

交通事故 輝度変化をどのように見るか

交通事故 輝度変化をどのように見るか 交通事故ではMRIなど、画像所見で「輝度変化がある」という言葉が出てきます。これは画像上の陰影が通常とは異なる画像となっているような場合をさします。 交通事故で炎症などが起こると水がたまったりするのでその箇…

交通事故 脳挫傷と老人性痴呆との区別

交通事故 脳挫傷と老人性痴呆との区別 この交通事故事件は、自動車と高齢者が乗った自転車が衝突した交通事故です。被害者は、事故後1年半ぐらいしてから痴呆が生じるようになった事例で,痴呆について事故との因果関係を認めました(大阪地裁H7.12.11交民28…

交通事故 被害の立証(陳述書)

交通事故 被害の立証(陳述書) 被害を立証するために私たちは陳述書を作ります。痛みなどが起こった場合に日常生活にどのように支障がきたすかを具体的に記載する必要があります。 具体的にと言うのは、単に「痛い」とか「しびれる」とか抽象的に書かないと…

交通事故 医学文献と立証手段

交通事故 医学文献と立証手段 医学文献は医療過誤訴訟の場合は必須のアイテムですが,交通事故事件の場合は必ずしもそうではありません。しかし,後遺障害認定を争う事件では、医学文献を利用することが少なくありません。 たとえば,外傷性の胸郭出口症候群…

交通事故 段階的に等級認定する矛盾

交通事故 段階的に等級認定する矛盾 「一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの」は8級で労働能力喪失率は45%、「一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの」は6級で67%となります。 逸失利益でこの差は大きいです。たとえば、20歳、年収400万円の…

交通事故 14級と画像所見

交通事故 14級と画像所見 画像所見があれば自賠責で12級がとれるかもしれない、という内容は誤解を生じるかもしれません。 この点について,私なりに整理すると次のようになります。 ① 画像所見だけからは12級をとることはできない。 ②「画像と初診からの症…

交通事故 これで14級? 画像中心主義の誤謬

交通事故 これで14級? 画像中心主義の誤謬 バイクで走行中、自動車にはね飛ばされました。バイクは二つ折りになり、ヘルメットには大きな損壊がありました。腰椎の圧迫骨折があり、そこから出血し、小脳部、後頭蓋窩に水頭症が生じたのです。出血及び水頭症…

交通事故 医師の尋問

交通事故 医師の尋問 後遺障害の等級を争う場合,主治医がどのように評価したかは非常に重要な点となります。実際,事故当初の誤った診断が交通事故被害者を苦しめることは少なくありません。 誤った判断とはいわないけれども,事故当初の整形外科医の軽いと…

交通事故 事業者の損害金

交通事故 事業者の損害金 事業者の常として過少申告することは少なくありません。逸失利益は年間収入を基礎に計算するのですが,極端に少ない例もあります。例えば,一家四人で生活していても申告では150万円の収入ということもあったりします。実際にはそん…

交通事故 非該当と14級

交通事故 非該当と14級 むちうち症などで神経症状がある場合、12級と14級の区別は難しい。裁判でも難しい部類に入ります 非該当と14級というのは裁判では意外と難しくないところがあります。本人の愁訴を中心に被害を展開し、病院に通常のペースで通院してい…