交通事故 患者・被害者情報の管理
交通事故 患者・被害者情報の管理
交通事故が起こると、加害者の損保担当者が登場して、被害者の情報をいろいろ集める。
① 事故時
事故車両の写真、事故直後の関係者の聞き取り、現場写真、被害車両の修理見積書、実況見分調書など
② 通院中
被害者から同意書をとりつけ、医師に面談して資料を集める。治療費を支払ってくれるので診断書、レセプトを集めたりする。時には医師にお尋ね文書を送り、回答書をもらったりする。
③ 症状固定後
症状固定後は事前認定と言って、後遺症認定手続きに関与するので、患者の病状に関する情報を集めたりする。
ところで、①から③の情報は原則、被害者の個人情報で、本来保険会社としては厳重に管理しなければならない。個人情報保護法からすれば、被害者がから開示請求されれば開示しなければならない。
さらに、問題だと思うのは、いざ、紛争になると、これらの個人情報を全て加害者側の弁護士(損保の弁護士)に渡してしまう点だ。弁護士は事実上損保が依頼するのであるが、法律上はあくまで加害者の代理人として振る舞う。
個人情報を全て敵方である相手方に渡すというのは、個人情報保護法の趣旨からいって、違法な行為ではないかと思えてならない。