その他、難しい疾患

交通事故 事故による精神病の誘発

交通事故 事故による精神病の誘発 交通事故によって精神疾患が誘発されることは少なくない。事故が原因でうつ病となり、自殺にいたるような事例もある。こういう場合、事故との因果関係を認めるの判例だ。ただし、多くが被害者の心因的要因を考慮して、減額…

交通事故 激しい痛みでも画像所見はない

交通事故 激しい痛みでも画像所見はない 現在相談を受けている事件はけっこう難しい。 衝突の程度はそれほどではないが、事故後、手先に激しい痛みが発症したというだ。手先激しく痛み、風が吹いた程度でも痛かったという。手は腫れ上がり、しわが見えなくな…

交通事故 医師の意見書

交通事故 医師の意見書 後遺障害の程度を争う場合、裁判官は必ず「医師の意見書は出ませんか」と投げかけてくる。弁護士がいくら文献を引用しようと、それだけでは決して信用しない。診断書、サマリー、紹介状など具体的に記載があってもまだ信用しない。裁…

交通事故 CRPSメモランダム 4/15

交通事故 CRPSメモランダム 4/15 事故を契機にCRPSが発症する例は意外と多い。事故に比して、痛みが余りにも極端にひどいので整形外科医ですら、真実を疑う傾向にある。中には否定する医師もいる。 交通事故の世界ではCRPSは神経症状の延長のようにとらえら…

交通事故 CRPSメモランダム 4/8

交通事故 CRPSメモランダム 4/8 最近、CRPSに関する問題に集中している。調べて見れみるほど、CRPSというのは大変な病気だ。私はCRPSを直す力は当然無いが、裁判では何とか被害者のつらい気持ちを表現したい。 CRPSⅠはだいたいRSDと同じと考えて良い。その治…

交通事故 CRPSメモランダム

交通事故 CRPSメモランダム 最近、どういう訳かCRPSに関連した交通事故事件が多い。そこで、CRPSについて簡単にまとめておきたい。 CRPSⅠ型とⅡ型がありもともとはRSDと呼ばれていた。いまでもRSDという用語はよく使われている。それはRSD、すなわち反射性交…

交通事故 胸郭出口症候群の事例

交通事故 胸郭出口症候群の事例 私は現在胸郭出口症候群が問題になっている事例を担当している。この事例では損保側からは、そもそも外傷では胸郭出口症候群にはならないという立場の意見書が提出されている。 ちょっと、長いが、胸郭出口症候群に関する部分…

交通事故 胸郭出口症候群の判断

交通事故 胸郭出口症候群の判断 胸郭出口症候群はむち打ち損傷にともなって生じる、上肢の疼痛、だるさ、しびれ感などを訴える疾患だ。胸郭出口部の複雑な神経系を冒すために症状も多様だ。それ故に、損保側からの攻撃材料も多い。損保の対応は、手術によっ…

交通事故 RSDの意味

交通事故 RSDの意味 交通事故事件を多くやっていると、まれに反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)の事例に出会う。 ジストロフィーというのは栄養失調、栄養欠乏による組織,器官の縮退とされている。 このRSDは必ずしも整形外科領域の疾患とは限らないた…

交通事故 麻痺などがあるも他覚所見に乏しい事例

交通事故 麻痺などがあるも他覚所見に乏しい事例 今日の相談はひどい麻痺があるが、画像所見に乏しい事例だった。 当初は非該当となり、異議申立で14級となった。保険会社の提示額は500万円程度だ。14級の賠償金としてはけっして悪い金額ではない。各損害項…

交通事故 胸郭出口症候群の診断

交通事故 胸郭出口症候群の診断 胸郭出口症候群のような判断の難しい疾患を主張する場合、裁判ではその診断基準を示す必要がある。つまり、被害者が胸郭出口症候群であるというのであれば、診断基準を示してそれに当てはまることを主張、立証しなければなら…

交通事故 外傷性胸郭出口症候群(TOS)の病態

交通事故 外傷性胸郭出口症候群(TOS)の病態 胸郭出口症候群は2つの斜角筋と第一肋骨で囲まれた三角部分が狭窄して生じる病気だ。 → http://blogs.yahoo.co.jp/kotujiko_nagoya/7255404.html 外傷性TOSの手術所見からは、腕神経叢及びその周辺組織に癒着や…

交通事故 胸郭出口症候群の臨床像

交通事故 胸郭出口症候群の臨床像 胸郭出口症候群では上肢の痛み、しびれ、脱力などの症状がある。頭痛、立ちくらみ、不眠、嘔気、胃腸障害、前身倦怠感といったいわゆる不定愁訴を伴うものもある。 胸郭出口症候群では上肢の挙上によって症状が増悪する場合…

交通事故 CRPS判定基準

交通事故 CRPS判定基準 交通事故あるいはその後の手術を契機にCRPSに罹患することがある。神経症状と言えば神経症状なのだろうが非常に重い事例は聞き取りをしていても気の毒になる。 このCRPSの判定基準については厚生労働省研究班が報告書を作成している。…

交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因

交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因 胸郭出口症候群(TOS)はもともと体型などから生じることがあります。女性に圧倒的に多く、長首、なでがた、不良姿勢など特徴があります。交通事故では損保側はしばしば体型のせいだと言ってくることがあります。 しかし…

交通事故 胸郭出口の解剖

交通事故 胸郭出口の解剖 交通事故分野で非常に難しい事件の1つに胸郭出口症候群の事例がある。これは、それだと決める決定的な検査方法がないことや、事故によってこの症例が生じることを否定する医師もいることが問題を難しくしている。 しかし、胸郭出口…

交通事故 アロディニア

交通事故 アロディニア 事故後、アロディニアと言われる異常な痛みに襲われることがある。そのまま治らない場合はCRPSだったりする。 整形外科医はこれをなかなか気づかない。画像的には問題がないのになぜそんなに痛がるのだと、詐病だと決め込む医師も少な…

交通事故 あるCRPS事例

交通事故 あるCRPS事例 CRPSは事故や手術を契機に生じる痛みの病だ。原因が必ずしもはっきりしないため、激しい痛みがあるにもかかわらず周りからの理解が得られにくい。 特に整形外科医では見落とすことが多く、交通事故被害のうちでは難事件の1つとなって…

交通事故 事故後RSDが発症した事例

交通事故 事故後RSDが発症した事例 この事件のややこしいのは、事故後の肩関節の手術をきっかけに急激に症状が悪化したことです。RSDそのものは手術を契機に発症した可能性が高いです。現在、依頼者の肩関節は拘縮し、可動域は半分になっています。 そうなる…

交通事故 バレリュー症候群で後遺症障害

交通事故 バレリュー症候群で後遺症障害 1年半前に追突事故で受傷し、頭痛とめまいが酷く、バレリュー症候群と診断されペインクリニックで星状神経節ブロック注射を80回ほど打ちました。 MRI等での他覚所見はございません。 バレリュー症候群のみで、後遺症…

交通事故 RSD CRPS

交通事故 RSD CRPS 交通事故ではレントゲンなどの画像所見がない場合でも激しい痛みが生じる場合があります。RSD,CRPS,などもその一つです。RSD,CRPSは「骨折、捻挫、打撲などの外傷をきっかけとして、慢性的な痛みと浮腫、皮膚温の異常、発汗異常などの…

交通事故 よくわからない、胸郭出口症候群

交通事故 よくわからない、胸郭出口症候群 胸郭出口症候群というのは後遺障害として認定するの難しい事例の一つです。頸~肩にかけて胸郭出口部という狭い領域があります。この領域には太い血管や太い神経が通っています。狭い空間であるため,何かの拍子,…

交通事故 悲惨な被害、アロディニア

交通事故 悲惨な被害、アロディニア アロディニアというのをご存じだろうか。最近、わたくしには事故後アロディニアにり患した事例が多い。 通常では痛みを引き起こさない刺激によって生じる痛みと定義されるこの疼痛は、少しの刺激で激しい痛みを引き起こす…

交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例

交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例 胸郭出口症候群で12級が認められた事例の情報を依頼者からいただいた。 本件は自転車で走行中に左折車と接触して転倒した事例だ。依頼者は胸郭出口症候群となり、手術治療も受けている。自賠責については非該…

交通事故 なかなか分からないアロディニア被害

交通事故 なかなか分からないアロディニア被害 交通事故からアロディニアを発症させた事例で、依頼者から聞き取りをした。 アロディニアとは「通常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛としてとても痛く認識される感覚異常のこと。」というように定…

交通事故 とてもむずかしいアロディニアの発生機序

交通事故 とてもむずかしいアロディニアの発生機序 痛みというのは疼痛と呼ばれている。 痛みについては、侵害受容性疼痛(現実に傷ができて痛いと反応する場合)と、神経障害性疼痛(末梢神経から脳に至る神経経路のどこかに傷害が生じた場合)との2つに分…

交通事故 アロデニア

アロデニアとういう症状がある。 外傷をきっかけに生じる激しい痛みだ。末梢神経の障害と説明されているがそのメカニズムは分かっていない。そのため、交通事故被害ではしばしば無視されがちな症状になっている。しかし、メカニズムが不明であることと、被害…

交通事故 難しい疾患に対する対応

交通事故 難しい疾患に対する対応 交通事故分野で最も難しいのは症状の割に所見がないという事例だ。手足、腰のしびれ、麻痺、痛みが激しいのに整形外科的な所見がないような場合だ。レントゲン写真やMRIでは圧迫所見や炎症を示す所見が無い、筋電図や神経伝…

交通事故 難しい病気に陥る罠

交通事故 難しい病気に陥る罠 高次脳機能障害,胸郭出口症候群,バレ・リュー症候群,脳脊髄液減少症,RSDなどなど,交通事故では判断の難しい病名が出てくる。 これらの病名が出てきた場合,時に,いかなる病名であるかが争点になっていくことが少なくない…

交通事故 RSDと厚労省基準 批判的検討メモ

交通事故 RSDと厚労省基準 交通事故によってCRPSⅠ、RSDが生じることはまれではない。 このRSDについて厚労省は平成15年に通達を出し、「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準」という通達を出して、判断基準を示している。 → http://www.mh…