2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

交通事故 頚髄損傷の所見

交通事故 頚髄損傷の所見 首に通っている太い神経、脊髄が損傷した場合を頚髄損傷と言います。 骨折とか骨のずれとか骨性の外傷がある場合もありますが、ない場合もあります。こうした症例の特徴は画像上の所見を得にくい点にあります。むちうちなどに頸椎の…

交通事故 弁護士費用が調達できないとき

交通事故 弁護士費用が調達できないとき 私たちは事故を想定して生きているわけではない。交通事故被害にあい、高額な弁護士費用が支払えないときもある。賠償金額が高額な場合、弁護士費用も高額となってしまうが、私の事務所では被害が重篤な場合、着手金…

交通事故 死亡事故と損害

交通事故 死亡事故と損害 当事務所の若手弁護士が死亡事故の相談を受けた。依頼者は肉親を失って深く傷ついている。私達はこうした依頼者にどのように向き合うか議論している。 ともかく、死亡事件の場合、逸失利益、慰謝料が損害額では大きな問題となる。例…

交通事故 高次脳機能障害の判断

交通事故 高次脳機能障害の判断 高次脳機能障害の判断は次の3つ ① 脳に打撃を与えるようなエピソード ② 器質的な傷害が認められる所見 ③ 他の疾患がないこと しかし、病気は常に典型ばかりではない。典型を基準にそれからはみ出した場合だってある。 現在進…

交通事故 損益相殺 費目流用

交通事故 損益相殺 費目流用 交通事故が労災でもある場合には労災処理することのメリットは多い。 労基署は労災処理することをいやがるが、断固として労災処理することをお勧めする。 労災のメリットに費目流用の問題がある。 これは労災による補償について…

交通事故 家事労働

交通事故 家事労働 主婦の場合、家事労働に従事するという考え方で所得を計算する。だいたい当該事故年度の女子平均賃金を基準にしている。これは、逸失利益の年収、休業補償の支払にかかわることになる。 この点、主婦がパートに出ていることがある。年収20…

交通事故 依頼者から学ぶ

交通事故 依頼者から学ぶ 弁護士は全てのことを知っているわけではない。熱心な依頼者からの問題提起を受け,勉強することで理解が進む。 最近は依頼者が併合加重の論文を見つけ出してくれて,当てはめられないか検討している。 つい最近までは,外傷性の難…

交通事故 同一範囲の障害

交通事故 同一範囲の障害 胸椎の圧迫骨折により体幹部の変形があるということで11級の後遺症があるとされたものの、20年前に腰椎椎間板手術があって体幹の変形があるために認定されないという認定がされた。このような場合、訴訟ではどのように考えるべきだ…

交通事故 併合加重

交通事故 併合加重 交通事故によって複数の箇所を害されると、併合加重がされる。これがわかりにくい。この併合については弁護士は一般的に苦手ではないだろうか。 14級はいくらたくさんあっても加重されない。 (9級~13級)+(9級~13級)=重い方を1級加算…

交通事故 弁護団会議

交通事故 弁護団会議 交通事故の中でも脳脊髄駅減少症とかいった難しい事件になると弁護団を構成する。この場合、役割を分担することが非常に重要になる。 事件自体の構造を明らかにして、どこからどこまでが誰の役割にするか明確にして会議を進めていく。 …

交通事故 事故証明の発行根拠(Yahoo 知恵袋)

先日会社の役員(男性:40歳)が単独の自動車交通事故で亡くなったのですが、警察が「事故証明書」の発行に応じてくれません。 警察に「事故証明書」を発行しない権限があるのでしょうか? 事故の形態は、午前1時半ころ、直線道路を進行中、居眠り(?)によ…

交通事故の死亡事故について教えて下さい!!

交通事故の死亡保険について教えてください!! 主人(二男)の母が交通事故で昨年の11月に亡くなりました。その時の事故は一方的に相手に非があり、保険金は長男におりたのに主人と長女(3人兄妹)には知らされませんでした。 「金額はいくらか?」と主…

交通事故 自賠のみの加害者(Yahoo回答集)

交通事故の被害者です。加害者は自賠責保険しか入っていません。ひどい事をされたのだから、きちんと賠償してほしいのですが、 弁護士をお願いした方がいいでしょうか? 実母が歩行中に車にひかれました。過失は100対0です。 国道沿いの大きな道路で信号待…

交通事故 妻は他人か?

交通事故 妻は他人か? 夫が運転して事故を起こした場合、妻に自賠保険の賠償請求は認められるだろうか。 自賠法3条は 「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責…

交通事故 身体的特徴と素因減額

交通事故 身体的特徴と素因減額 身体的特徴を理由に損害を否定したり、素因減額を主張してくることがある。 もともと、被害を受けやすい体だから減額するべきだという主張だ。しかし、被害を受けやすい体の生活権を否定するかのような主張はどうかと思う。 …

交通事故 もうすぐ症状固定

交通事故 もうすぐ症状固定 事故にあって治療が続き、医師か、保険会社からもうそろそろ症状固定と言われる。症状固定というのはこれ以上治療効果がない状態だ。 症状固定になると、事故は一応終わったという取り扱いになる。 保険会社は治療費や休業補償を…

交通事故 医師のあり方コーナー

交通事故 医師のあり方コーナー 交通事故では医師とのやりとりが多い。整形外科医の対応に苦しんでいる例も少なくない。 うちは交通事故はみないことにしている。 あなたはお天気病だ。 あやうく、詐欺の片棒をかつぐところだった。 など、医師の心ない言葉…

交通事故 余りにも簡単なカルテ

交通事故 余りにも簡単なカルテ 交通事故では治療経過を見るために患者のカルテが法廷に提出される。 長期にわたって同じ治療が繰り返されるため、カルテは本当に簡単になってします。 例えば 「理療オーダーに同じ」とか、「① do」とか、①というのは最初の…

交通事故 むかつく医師の意見書

交通事故 むかつく医師の意見書 交通事故では損保側の医師の意見書がよく提出される。実際に診断していないのに平然と断定する姿勢はほんとむかつく。 たとえば、こんな風に記載される。 本件では客観的所見がないと断定した上で 「・・長期化因子としては患…

交通事故 カルテはとても大切

交通事故 カルテはとても大切 被害立証する場合、カルテの証拠価値は格段に高い。裁判所はカルテに書いてあることは一応正しいと見て裁判を進める。そのため、私達は治療経過に沿って、カルテを順番に読み込んでいくことになる。 問題はカルテに書いてない部…

交通事故 胸郭出口症候群の診断

交通事故 胸郭出口症候群の診断 胸郭出口症候群のような判断の難しい疾患を主張する場合、裁判ではその診断基準を示す必要がある。つまり、被害者が胸郭出口症候群であるというのであれば、診断基準を示してそれに当てはまることを主張、立証しなければなら…

交通事故 外傷性胸郭出口症候群(TOS)の病態

交通事故 外傷性胸郭出口症候群(TOS)の病態 胸郭出口症候群は2つの斜角筋と第一肋骨で囲まれた三角部分が狭窄して生じる病気だ。 → http://blogs.yahoo.co.jp/kotujiko_nagoya/7255404.html 外傷性TOSの手術所見からは、腕神経叢及びその周辺組織に癒着や…

交通事故 扶養利益の喪失

交通事故 扶養利益の喪失 夫など稼ぎ手が死亡した場合,妻や子は本来扶養を受けられたであろうが,それが得られないということになる。このような場合,被扶養者として独自の請求権を持つ(最高裁H5.4.6判時1477号46頁,最高裁H12.9.7判時1728号29頁)。 も…

交通事故 労災申請を妨げるもの

交通事故 労災申請を妨げるもの 交通事故で労災申請が必要な場合がある。過失相殺が見込まれる事例や、治療が長期化しそうな事例については労災手続きによることが望ましい。労災によって一時金や年金がもらえる場合もある。 交通事故の場合、通勤途上あるは…

交通事故 労災福祉事業

交通事故 労災福祉事業 社会復帰促進等の特別支給金は労災とは別の支給金となっている。労災保険の各種給付と同時に給付される場合が多い。 休業特別支給金 傷病特別支給金(一時金) 傷病等級1~3級 障害特別支給金(一時金) 遺族特別支給金(一時金) こ…

交通事故 依頼者の希望

交通事故 依頼者の希望 相談している時に依頼者の希望に添うよう法律構成を考えていく。しかし、どうしても依頼者の希望に添えないこともある。それはやむえないことなのだ。 難しいのは、被害の実態は依頼者が一番よく知っている。私たちが軽いと思っていて…

交通事故 慰謝料の加算事由

交通事故 慰謝料の加算事由 慰謝料というのはかなりおおざっぱに決まる。 ・傷害慰謝料は通院期間などを基準に決めるが、それほど厳格ではない。通院中の苦痛がひどければ加算される。 ・相手方の対応が非常に不真面目である場合、慰謝料として加算されるこ…

交通事故 胸郭出口症候群の臨床像

交通事故 胸郭出口症候群の臨床像 胸郭出口症候群では上肢の痛み、しびれ、脱力などの症状がある。頭痛、立ちくらみ、不眠、嘔気、胃腸障害、前身倦怠感といったいわゆる不定愁訴を伴うものもある。 胸郭出口症候群では上肢の挙上によって症状が増悪する場合…

交通事故 CRPS判定基準

交通事故 CRPS判定基準 交通事故あるいはその後の手術を契機にCRPSに罹患することがある。神経症状と言えば神経症状なのだろうが非常に重い事例は聞き取りをしていても気の毒になる。 このCRPSの判定基準については厚生労働省研究班が報告書を作成している。…