2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

交通事故 難しい、損害の算定

交通事故 難しい、損害の算定 交通事故によって、後遺障害を残した場合、例えば12級と認定された場合、法律上の建前は働くことができるという前提です。しかし、実際には職を失ってしまうことがあります。人生は大きく変わり、不幸が一生ついてまわるような…

交通事故 死亡事件の難しいところ

交通事故 死亡事件の難しいところ 死亡事件の難しいところは被害者が亡くなって事故の事情が分からないところにあります。 多くの場合、遺族の努力がものをいいます。現場を検討するのですが、遺族の潔白を晴らそうと大きなエネルギーが注がれます。私の経験…

交通事故 死亡事件

交通事故 死亡事件 死亡事件の損害額は通常は比較的簡単にできます。 主要には、死者の慰謝料と逸失利益となります。慰謝料についてはおおよそ相場が決まっています。 逸失利益については所得についての逸失利益と年金に関する逸失利益が問題となります。さ…

交通事故 非該当、14級、12級、神経症状

交通事故 非該当、14級、12級、神経症状 神経症状で、非該当、14級、12級を争う事例が増えています。これは弁護士特約が徐々に一般化し始め、弁護士費用を気にせず、争うことができるようになったことや、当事務所のノウハウも徐々に積み重なっていき、あき…

交通事故 悪質な加害者には賠償額の増額を

交通事故 悪質な加害者には賠償額の増額を 高齢者の死亡事故ですが、事故を引き起こした加害者に全く反省が見られませんでした。さらに、訴訟においても自らの正当性を主張して引かなかった点について、「悪質さ」を認定し、慰謝料算定に加味した(名古屋地…

交通事故 逸失利益算定基準時

交通事故 逸失利益算定基準時 逸失利益の基準時を、事故時とするか、症状固定時とするかはよくわからないところがあります。 たとえば、15歳で受傷して、20歳で症状固定したとした場合、15歳を基準時として逸失利益を計算するべきでしょうか。それとも、20歳…

交通事故 脳脊髄液減少症で回復した事例

交通事故 脳脊髄液減少症で回復した事例 今日、相談を受けた事例は脳脊髄液減少症の事例です。激しい頭痛、目眩、強い脱力感があるにもかかわらず整形外科医には相手にされませんでした。MRIやレントゲン写真からは軽いですが、症状は非常に重いです。 納得…

ドラマ 交通事故にであったら(むちうち編) №3

ドラマ 交通事故にであったら(むちうち編) №3 整形外科医 (主人公は妻の運転で優先道路を走行中事故にあいました。) 事故のために全身が強く痛みました。頭も痛かったのでとても心配でした。首から両腕下半身にもしびれがありました。私はこれまでしびれ…

交通事故 遷延性意識障害の被害 (2)

交通事故 遷延性意識障害の被害 (2) 私は出産事故により、遷延性意識障害となった事例を扱ったことがあります。 分娩監視装置に対する判断ミスから帝王切開の時期を誤り、低酸素脳症により脳の障害を負った事件です。 被害者の女の子は体が動かず、自発呼吸…

交通事故 遷延性意識障害の被害 (1)

交通事故 遷延性意識障害の被害 (1) 遷延性意識障害(植物状態)の被害は誰が見てもつらいです。 私の依頼者は事故で娘が遷延性意識障害となりました。20代のこれからという時に事故にありました。チューブによって生きながらえるのですが、日に日に体が変化…

交通事故の調査員をアジャスターと呼びます

交通事故の調査員をアジャスターと呼びます 保険事故に関連する調査を行う人たちです。社団法人日本損害保険協会に登録され、見習、初級、3級、2級の資格があります。 交通事故が起こると、アジャスターが調査に入り、事故現場の写真、事故車の写真などを…

ドラマ 交通事故にであったら(むちうち編) №2

ドラマ 交通事故にであったら(むちうち編) №2 私の方にも落ち度があるって? (主人公は妻の運転で優先道路を走行中事故にあいました。) 事故にあってまもなく警察がやってきました。私はすぐに会社に電話をして午前中のスケジュールをキャンセルしておき…

交通事故 事故後、23年たって高次脳機能障害が認められた事例

交通事故 事故後、23年たって高次脳機能障害が認められた事例 昭和61年7月21日、当時中学2年生(14歳)の被害者が事故にあい、頭蓋骨骨折などの被害を受けました。被害者は事故後、中学、高校、大学を卒業し、さらに就職後結婚しました。 この被害者について…

ドラマ,交通事故に出会ったら。(むち打ち症編) №1

ドラマ,交通事故に出会ったら。(むち打ち症編) №1 朝,私はいつものように妻の運転で駅に向かっていました。交差点にさしかかったときです,突然ドーンという音がして体に強い衝撃を覚えました。自動車は反対車線に押しやられ,壁にぶつかる寸前でした。…

交通事故 事実は立証されて初めて真実とされます

交通事故 事実は立証されて初めて真実とされます 事実の認定については最高裁判決がある(最判S39.6.24、判タ166号106頁)。 「裁判所は、被害者側の提出するあらゆる証拠に基づき、経験則とその良識を十分に活用して、できうるかぎり蓋然性のある額を算出す…

交通事故 県外の依頼者。スカイプで打ち合わせ

交通事故 県外の依頼者。スカイプで打ち合わせ 当事務所には愛知県だけでなく,遠隔地の依頼者もいます。何回かは会う必要がありますが、日常的なうちあわせはインターネットのテレビ電話、スカイプを利用しています。 遠隔地の事件でも、最近は電話会議が認…

交通事故 高次脳機能障害の損害の立証

交通事故 高次脳機能障害の損害の立証 高次脳機能障害の被害者については、被害が重いと法廷に立てません。そのため親族、家族、医師の意見書、カルテなどを利用して被害を立証します。しかし、それでも分からない時があります。カルテに「今日は一人で買い…

交通事故 中間利息の控除

交通事故 中間利息の控除 交通事故などで、逸失利益など将来の損害を賠償する場合、「中間利息の控除」という言葉がよく出てきます。 これは、将来の賠償金を今、前倒しして支払ってもらいますので、逆利息がついてしまうというものです。 例えば、1000万円…

交通事故 遷延性意識障害 将来の介護用品費用など

交通事故 遷延性意識障害 将来の介護用品費用など 交通事故によって遷延性意識障害(植物状態)の被害を受けたの場合、介護用自動車、介護器具、介護用ベッド、介護用浴槽、電動車いす、天井走行リフト、痰の吸引器などの介護器具が必要です。 裁判ではこう…

交通事故 はじめて保険会社と交渉される方のために

交通事故 はじめて保険会社と交渉される方のために 症状固定すると、賠償金額について、保険会社との本格的な交渉が始まります。保険会社は丁寧な人が多いのですが、あなたの味方ではありません。本件会社という組織の論理が優先されます。しかし、けっして…

交通事故 遷延性意識障害者の寿命

交通事故 遷延性意識障害者の寿命 植物状態になった交通事故被害者の場合、いつまで逸失利益や将来の介護料を認めるべきかについて損保側は争ってきます。遷延性意識障害の患者は肺炎や敗血症のリスクが高く、天寿を全うできることの方が少ないように思われ…

交通事故 「無職の人には逸失利益はありません。」?

交通事故 「無職の人には逸失利益はありません。」? 損保の事故担当者がまれに、「無職者には逸失利益はありません。」と平気で言う例があります。しかし、いまどきこのような言い分は通用しません。 しかし、裁判の場になりますと、損保側代理人は必ず、同…

交通事故 遷延性意識障害(植物状態)と将来介護費

交通事故 遷延性意識障害(植物状態)と将来介護費 私たち法律実務家は判例タイムズや法律時報と言った専門雑誌でよく勉強します。例えば、大阪民事実務研究会の報告書には遷延性意識障害の将来介護費について次のように記載されています。 「遷延性意識障害…

交通事故 遷延性意識障害(植物状態)事件の弁護活動

交通事故 遷延性意識障害(植物状態)事 件の弁護活動 交通事故により植物状態になることもあります。私自身交通事故による遷延性意識障害の事例の経験はありませんが、医療過誤によって植物状態になった事例はいくつか経験しています。出産事故によって重度…

交通事故 植物状態:遷延性意識障害の基本的問題点

交通事故 植物状態:遷延性意識障害の基本的問題点 いわゆる植物状態で、自発呼吸などあるなど生命維持に必要な脳幹部の機能は維持している状態を言います。日本脳神経学会は①自力移動の不可、②自力摂食不可、③屎尿失禁状態、④意味ある発語ができない、⑤簡単…

交通事故 「痛み」という被害

交通事故 「痛み」という被害 交通事故での痛みの被害というのはもっともやっかいな被害の一つです。 「痛い」という感覚は言葉で表現できても客観的な所見がある訳ではないからです。 そこで、私たちは「痛み」を医学的な視点にたって分析していきます。臨…

交通事故 死亡事故での生活費控除

交通事故 死亡事故での生活費控除 死亡による損害賠償事件では、生きていれば稼げたであろう利益の賠償がされます。逸失利益と言われる賠償です。 この賠償金、実は亡くなったおかげで生活費を支出せずにすんだという費用が差し引かれます。これが生活費控除…

交通事故 死者は語らない。死亡事故と加害者の尋問

交通事故 死者は語らない。死亡事故と加害者の尋問 私は目撃者のいない死亡事故を何回か扱ったことあります。ある事件は横断歩道を渡ったところで軽トラックに跳ねられました。加害者は自らは青だと言い張りました。尋問の結果、加害者の証言と信号機のタイ…

交通事故 双方青だという場合

交通事故 双方青だという場合 交差点事故でしばしば双方青だ、双方相手は赤だと言い張る事例があります。こうした事例は警察が作成した実況検分調書をまず仕入、その上で現場を確認していきます。 双方言い分が違いますから裁判になって、被告は自分は青で、…