交通事故 高次脳機能障害と易疲労
交通事故 高次脳機能障害と易疲労
高次脳機能障害の一つに注意障害というのがある。
脳の心理的な機能は「覚醒度や注意力が基盤にあり、記憶や遂行機能が保たれ、さらに上位の機能である論理的な思考力や自身の障害の気づきが成される。」
この注意力であるが、みる、聞く、触れるなど全身からよせられる刺激は脳によって調整され、重みがつけられる。この刺激を取捨選択、判断していく過程が「注意」と言われるものである。
この注意は当然のことながらエネルギーを要する作業であるが、その作業が軸索損傷などによって脳機能の障害となって現れた場合の症状として「易疲労性」となって現れることがある。つまり、注意力、つまり、全刺激の取捨選択、重み付け能力が低下するために、普通の人ではなんでもない作業が著しい疲れとなって現れてしまう。
脳外傷後に怠け者になってしまったということはしばしばある。この易疲労を怠け者として叱責する医師までいるぐらいだ。しかし、情報を処理する過程が破壊されている場合には、全般的に正常でも易疲労は現れることになる。各種知能テストが比較的良好であっても著しい易疲労は現れる。