弁護士・異議申立・裁判

交通事故 裁判はやはり大変

交通事故 裁判はやはり大変 私は弁護士なので職業的に裁判を扱っている。そのためか、当事者の意識とずれがあることがある。裁判は通常8ヶ月から1年ぐらい必要だが、私たちの視点からは1年ぐらいと軽い感覚だ。しかし、当事者は違う。「1年も!」という感覚…

交通事故 難しい証拠契約

交通事故 難しい証拠契約 民事訴訟法上証拠契約という考えがあります。これは不確かな事象について事実を合意しておくとか、証拠はこれだけにするとかいった契約を結ぶことがあります。こうした証拠価値を取り決めておくことを証拠契約と言われています。 交…

交通事故 賠償としての弁護士費用

交通事故 賠償としての弁護士費用 交通事故の場合、被害者の弁護士費用は賠償されないのが原則だ。示談可決や、紛センなどの解決では認められない。 しかし、裁判となると別で、賠償額の1割程度が認められる。そのため、裁判した方が得になる。弁護士特約が…

交通事故 自賠責に勝つ

交通事故 自賠責に勝つ 裁判で後遺症認定を争う場合、相手は加害者でもなく、損保代理人でもない。基本的には自賠責認定をいかに覆すかが重要になる。 自賠責認定自体、医師が判断したわけでもないのになぜか裁判所の自賠責に対する信任は厚い。少なくとも自…

交通事故 等級を争う

交通事故 等級を争う 当事務所では自賠責の認定をいかに争うかがいつも議論になる。 ① カルテを読み込み、症状や治療内容を拾い出す。 ② 病名を正確につかみ、医学的文献で裏付けをとる。 ③ 日常生活での事故後の変化を具体的に明らかにする。 ここまでは普…

交通事故 裁判前の支払いと充当

交通事故 裁判前の支払いと充当 交通事故では裁判前に被害者請求をすることは少なくない。とりあえず、自賠責で後遺障害の賠償金を受け取り、その後に未払い分を賠償請求する。 この場合、遅延損害金は事故時から発生していると見なされているため、自賠責か…

交通事故 加害者の証人尋問

交通事故 加害者の証人尋問 交通事故裁判の場合、被告の代理人は被告の代理人であって被告の代理人ではない。つまり、実質的には損保の代理人であるため、加害者本人との結びつきは非常に希薄だ。事故の事情も本人から聞き取ることはほとんどないように思う…

交通事故 なぜ、紛争処理機構は役立たないか。

交通事故 なぜ、紛争処理機構は役立たないか。 自賠責・共済紛争処理機構では調停手続きが存在する。もし、後遺障害等級を争うつもりなら、これは余り役立たないし、有害であるというのが私の考えだ。 たとえば、あるい事件で調停結果としてこんな記載の文書…

交通事故 自賠責保険・共済紛争処理機構の評価

交通事故 自賠責保険・共済紛争処理機構の評価 交通事故事件をたくさんやっていると、時々自賠責保険・共済紛争処理機構を経た相談がくる。私はこのこの機構に対してよい評価ではない。基本的に異議申立と同じだと考えている。 異議申立の問題点は証拠が医証…

交通事故 カルテはとても大切

交通事故 カルテはとても大切 被害立証する場合、カルテの証拠価値は格段に高い。裁判所はカルテに書いてあることは一応正しいと見て裁判を進める。そのため、私達は治療経過に沿って、カルテを順番に読み込んでいくことになる。 問題はカルテに書いてない部…

交通事故 民事調停の役割

交通事故 民事調停の役割 民事調停というのは裁判所で行う話し合いの手続だ。弁護士がついていない場合には意味がある。私の考えでは弁護士がついている場合、交通事故事件に限って言えばほとんど意味がないのではないかと思う。 調停でなくても弁護士であれ…

交通事故 調査費用と賠償

交通事故 調査費用と賠償 事故によっては自らの被害を立証するために大変な労力をかけることがある。 それにともなう費用は原則として賠償されない。 しかし、交通事故の場合、例えば高次脳機能障害の検査を受けたとか、あらためてレントゲン写真を見てもら…

交通事故 証拠の整理の方法

交通事故 証拠の整理の方法 交通事故で金額としては大きくないが、証拠の整理としては面倒なのが治療費や、交通費です。これをどのように整理したらいいのかという考え方は、次の通りです。 ① 同質の領収書をなるべくそろえる。 ② 時系列にそってなるべくそ…

交通事故 死亡事故の損害金

交通死亡事故で損害賠償の訴訟で獲得した金額は一旦弁護士の口座に入金され報酬など引かれた後被害者家族に入金されるそうなんですが それは代表者の口座に入金されるんですか?それともそれ ぞれ相続人に分配されて入金されるんでしょうか? 代表者の口座か…

交通事故 弁護士費用と裁判

交通事故 弁護士費用と裁判 裁判では相手方から弁護士費用を取ることができないのが原則です。 しかし、訴訟になると判決文で弁護士費用の一部が認められます。損害額のおおよそ1割ぐらいです。 たとえば,損害額が500万円と認定されると50万円程度が弁護士…

交通事故 解決のプロセス

交通事故 解決のプロセス 交通事故にあったら,交通事故に詳しい弁護士に相談して,事故処理の流れを大まかに理解することをお勧めします。 交通事故にあってしまったら,加害者の任意保険担当社から連絡があります。損保からは治療費,通院費,休業補償など…

交通事故 裁判って重い?

交通事故 裁判って重い? たくさんの相談の中には裁判の方がよいと思われる事例は多いです。 しかし、裁判に対する抵抗は強いです。「裁判」というだけで大きなストレスになっています。 最近も、いろいろ相談して訴訟の方がよいと思われる事例がありました…

交通事故 赤信号でもあきらめないでください

交通事故 赤信号でもあきらめないでください 赤信号で横断中の事故ですから、○○円です。と自賠責の範囲内の金額を保険会社は提示します。 確かに赤信号の場合、かなりの過失があります。しかし、事案を子細に検討すれば問題があるかもしれません。私が担当し…

交通事故 事実は立証されて初めて真実とされます

交通事故 事実は立証されて初めて真実とされます 事実の認定については最高裁判決がある(最判S39.6.24、判タ166号106頁)。 「裁判所は、被害者側の提出するあらゆる証拠に基づき、経験則とその良識を十分に活用して、できうるかぎり蓋然性のある額を算出す…

交通事故 死者は語らない。死亡事故と加害者の尋問

交通事故 死者は語らない。死亡事故と加害者の尋問 私は目撃者のいない死亡事故を何回か扱ったことあります。ある事件は横断歩道を渡ったところで軽トラックに跳ねられました。加害者は自らは青だと言い張りました。尋問の結果、加害者の証言と信号機のタイ…

交通事故 判決後の支払い

交通事故 判決後の支払い 交通事故で賠償金の支払いが命ぜられますと、損保は遅延損害金も含めて正確に支払ってきます。 まず、原告側もしくは被告側から控訴するかどうかを問い合わせます。確定するとわかりますと、原告側から支払いを請求します。そののち…

交通事故 消滅時効の起算点

交通事故 消滅時効の起算点 交通事故による損害賠償請求は不法行為(民法709条)、自動車損害賠償保障法に基づいて請求します。 この請求権は3年間請求しないと消滅時効により消滅します。消滅時効の起算点は通常は症状固定の時期を基準としています。 当初…

交通事故 弁護士特約

交通事故 弁護士特約 弁護士の費用は一般的には高いです。例えば、14級程度の事件の場合、保険会社は150万円から200万円程度の賠償額を提示します。弁護士が介入してあがったとしても150万円が200万円ぐらいになる程度です。しかも、紛争処理センターを利用…

交通事故 刑事記録

交通事故 刑事記録 交通事故で私たちは刑事記録をとりよせます。刑事記録の特徴はすべてが警察に都合のよいように作られている点です。加害者がうそをいったりします。この時に、警察のストーリーがあってそれに反するウソは徹底的に追求しますし、警察のス…

交通事故 証人尋問

交通事故 証人尋問 交通事故訴訟では加害者の尋問はほとんど実施されません。おそらく被告弁護士は依頼者である加害者とほとんどうちあわせることはないのではないかという気がしてしまいます。 原告にとっては、裁判官に対して自分の被害を訴える重大な機会…

紛争処理機構

紛争処理機構 交通事故の怪我で再度二回目の異議申し立てを考えております。 新たな医証があります。 自賠責か紛争処理機構のどちらの方が認定される可能性が高いでしょうか? 私の弁護士は余り変わらないと言っているのですが… 紛争処理機構の事例について…

交通事故事件,和解と判決,どっちが得?

交通事故事件,和解と判決,どっちが得? 私は交通事故の被害者で損保会社を相手に訴訟を起こしています。 最近、裁判長より和解案が提示され、弁護士より「和解案の金額は妥当で拒否したら減額のおそれもある」との事でした。和解と判決はどちらがよいので…

交通事故裁判の準備書面

交通事故裁判の準備書面 準備書面というのは原告・被告の訴訟に対する考えを示す文書です。裁判ではいろいろな証拠が提出されますが、弁護士はそうした証拠を評価したり、法的な組み立てを主張します。それをまとめたのが準備書面ということになります。訴訟…

交通事故事件,弁護士をはしごしてみては

交通事故事件,弁護士をはしごしてみては 交通事故に出会ってしまったら,やはり弁護士と相談することをお勧めします。 しかし,弁護士の場合,相談する側に情報が乏しくなかなか良い弁護士かどうか比較できません。被害者としてはどのように選別したら良い…

交通事故 証人尋問の役割

交通事故 証人尋問の役割 交通事故訴訟では加害者の尋問はほとんど実施されません。おそらく被告弁護士は依頼者である加害者とほとんどうちあわせることはないのではないかという気がします。 実際に行われても短時間で終わってしまいます。つい最近もわずか…