交通事故 RSDと厚労省基準 批判的検討メモ

交通事故 RSDと厚労省基準

 交通事故によってCRPSⅠ、RSDが生じることはまれではない。
 このRSDについて厚労省は平成15年に通達を出し、「神経系統の機能又は精神の障害に関する障害等級認定基準」という通達を出して、判断基準を示している。


 それによると、RSDの場合は次の様になっている。

 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)については、(1)関節拘縮、(2)骨の萎縮、(3)皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)という慢性期の主要な3つのいずれの症状も健側と比較して明らかに認められる場合に限り、カウザルギーと同様の基準により、それぞれ第7級の3、第9級の7の2、第12級の12に認定すること。

 この3つの要件がそろわなければ、労災(交通事故自賠責認定)をしないとしている。しかし、医学的にこの3つの要件をそろえなければCRPSとしないという見解はどこにも存在しない。


 厚労省基準についてはいくつか問題点が存在する。

① 厚労省は平成15年までの医学的知見をもとに判断しているが、CRPSについての知見はその後大きく進歩している。上記基準はその後の知見を取り入れていない。

② 骨萎縮を含めてCRPSの判断基準を決めている医学的知見は存在しない。

③ 現在CRPSについては平成20年厚生労働省が臨床上の判断指標を提示している。CRPSか否かは医学的判断であるから、少なくとも平成20年での判定基準を基にCRPSか否かは判断されるべきである。後遺障害は本来、これ以上治療効果が期待できない状態を言う判断であるから、医学的な判断基準をもとにCRPSを判断した上で、治療効果が期待できない状態かどうかが医学的に判断されるべきである。3つの要件がそろわなければそもそもCRPSとすらしないという考え方は誤りである。
 
 

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