2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因

交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因 胸郭出口症候群(TOS)はもともと体型などから生じることがあります。女性に圧倒的に多く、長首、なでがた、不良姿勢など特徴があります。交通事故では損保側はしばしば体型のせいだと言ってくることがあります。 しかし…

交通事故 胸郭出口の解剖

交通事故 胸郭出口の解剖 交通事故分野で非常に難しい事件の1つに胸郭出口症候群の事例がある。これは、それだと決める決定的な検査方法がないことや、事故によってこの症例が生じることを否定する医師もいることが問題を難しくしている。 しかし、胸郭出口…

交通事故 民事調停の役割

交通事故 民事調停の役割 民事調停というのは裁判所で行う話し合いの手続だ。弁護士がついていない場合には意味がある。私の考えでは弁護士がついている場合、交通事故事件に限って言えばほとんど意味がないのではないかと思う。 調停でなくても弁護士であれ…

交通事故 症状固定前の相談

交通事故 症状固定前の相談 交通事故の全損害は症状固定によって確定するというのがたてまえだ。 私たちとしても症状固定がないとなかなか交渉や裁判に入れない。症状固定前にはどんなことを相談したらいいのだろうか。 この段階での相談は、いったい将来ど…

交通事故 自賠責死亡の慰謝料

交通事故 自賠責死亡の慰謝料 自賠責による支払いは国が定めた基準によって機械的に支払われる。 → http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/kijyun.pdf 死亡の慰謝料は350万円支払われる。 遺族固有の慰謝料は1人の場合は550万円,2人…

交通事故 女子パート労働者の年収

交通事故 女子パート労働者の年収 逸失利益を考えるときに、年収を基礎とする。 年収×ライプニッツ係数×労働能力喪失率=逸失利益 女子パート労働者の場合、賃金が低い。しかし、よく尋ねてみると主婦業をやっていたりする。専業主婦の場合には女子平均賃金…

交通事故 休業損害と休業期間

交通事故 休業損害と休業期間 休業損害は実際に休業した期間を言う。 実損を賠償するので有給休暇を利用したり、休職扱いしたような場合に支払われるのが原則だ。 サラリーマンのような場合、比較的単純に解決できる。実際には無理して出勤したんですけどね…

交通事故 アロディニア

交通事故 アロディニア 事故後、アロディニアと言われる異常な痛みに襲われることがある。そのまま治らない場合はCRPSだったりする。 整形外科医はこれをなかなか気づかない。画像的には問題がないのになぜそんなに痛がるのだと、詐病だと決め込む医師も少な…

交通事故 調査費用と賠償

交通事故 調査費用と賠償 事故によっては自らの被害を立証するために大変な労力をかけることがある。 それにともなう費用は原則として賠償されない。 しかし、交通事故の場合、例えば高次脳機能障害の検査を受けたとか、あらためてレントゲン写真を見てもら…

交通事故 14級と示談

交通事故 14級と示談 14級の場合、示談で大きな金額を占めるのは①逸失利益、②休業損害、③傷害慰謝料だ。 示談では傷害慰謝料と言って、通院期間に応じて慰謝料額を決めていくが、これはそれほど大きな問題は生じない。損保側は赤い本や青い本など、弁護士会…

交通事故 裁判の持つ重さ

交通事故 裁判の持つ重さ 最近,あいついで死亡事件の相談を受けた。私の目からみると訴訟で決着をつけたほうがよいと思われる事例だが,遺族はまよっていた。 それは近所の目を気にしていた。 田舎の方なので,訴訟などすると,裁判までしてお金を取ろうと…

交通事故 死亡事件の相談事例

交通事故 死亡事件の相談事例 交差点で自転車運転中にはねられて,被害者が死亡した事件の相談があった。 例によって,損保は過失相殺されたら3000万円より下がるが,自賠責範囲の3000万円まで支払うから示談しないかともちかけている。しかし,自賠責の範囲…

交通事故 自転車と歩行者

交通事故 自転車と歩行者 同じタイプの事故であっても自転車と歩行者とでは過失相殺のレベルが違う。 歩行者は基本的に保護されるべきという考え方でできあがっている。自転車は車両という考え方になっている。つまり、自転車の方が重い。 http://www.ej-rik…

交通事故 自宅改造費

交通事故 自宅改造費 高次脳機能障害や、重度のマヒなどがある場合には自宅を改造する。玄関、風呂場、トイレ、車いすリフ、玄関口などいろいろと改造の必要がある。 このとき、私はできるだけ、補助金をもらうように勧めている。障害者のために自宅などを改…

交通事故 意外と困る、治療費、通院費

交通事故 意外と困る、治療費、通院費 交通事故では小さな損害も地道に積み上げることが原則だ。しかし、治療費、通院交通費は意外と困ることが多い。というのは、領収書類などを積み重ねるのだが、この整理が大変なことが時々ある。几帳面な人は、こうした…

交通事故 3重の事故

交通事故 3重の事故 3ヶ月間に3回の追突事故があった相談を受けた。いずれも信号に従って停止していた際の事故だから、被害者側にはなんの落ち度もない。こんな不幸なことが重なるとは、何か取り憑かれてるんじゃないかと心配するのは無理はない。 この場合…

交通事故 死亡事件と裁判

交通事故 死亡事件と裁判 死亡事件では過失相殺がしばしば問題になる。被害者が亡くなったために、被害者の正当性を立証するのが難しくなるからだ。 保険会社は自賠責で3000万円支払われるから、その範囲で和解したいと言ってくる。仮に裁判になれば賠償額は…

交通事故 定期金賠償方式(3)

交通事故 定期金賠償方式(3) 植物状態になるなど、遷延性意識障害の事例では労働能力喪失率100%、生涯にわたる介護料を請求する。法律上、これを一時にもらうこともできるし、年金のように分割してもらうことができる(民訴法117条)。 どのような賠償方…

交通事故 定期金賠償方式(2)

交通事故 定期金賠償方式(2) 遷延性意識障害など植物状態になるなどして、重度の障害を受けて介護が必要な場合、一時にもらう方が得か、定期金方式で、毎年逸失利益、介護料をもらう方が得かははっきり判断できない。 定期金方式であれば、介護料があがっ…

交通事故 定期金賠償方式(1)

交通事故 定期金賠償方式(1) 交通事故で重度の障害を負った場合、将来にわたって就労が困難となる場合がある。その最もひどい事例が遷延性意識障害の事例だ。 植物状態になってしまい、家族としては言いようのない悲しみや、怒りが襲う。将来にわたって被…

交通事故 脊椎と脊髄

交通事故 脊椎と脊髄 脊椎は椎骨が並んだもので、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎となり骨盤とつながります。 脊椎が損傷した場合を脊椎損傷、頸椎損傷などという言葉で表現されます。 脊髄は椎骨という骨で守られた、人の大きな神経の束です。袋のような中に…

交通事故 素因減額

交通事故 素因減額 被害者側のもとからあった病気も手伝って、交通事故被害が拡大したという場合には素因減額と言って、被害者側の事情から減額する。これは最近ではかなり確立した考え方なのだが、被害者としては納得できない。 もとからあった事情にしろ、…

交通事故 無保険車傷害保険

交通事故 無保険車傷害保険 相手方自動車が無保険であったような場合、加害者に代わって保険を支払う保険だ。 相手の代わりに支払う保険なのだが、どこまで賠償してくれるかが問題となる。私たちの間で長く問題だったのは、遅延損害金まで支払ってくれるかど…

交通事故 非骨傷性頸髄損傷

交通事故 非骨傷性頸髄損傷 レントゲンやMRI所見では大きな問題が認められないが麻痺や疼痛といった重篤な神経症状があるという例は少なくない。交通事故では最も難しい事件ということになる。 脊髄は交通事故に伴う外力によって損傷することがある。一度損…

交通事故 先に自賠責の保険金を受け取る

異議申し立てで14級を認定されましたが、これより上の級を目指しています。今も通院していて再度異議申し立てする準備をしていますが少し時間がかかるようなので今後も費用がかかる事から、先に認定された14級の分の後遺障害の慰謝料だけ自賠責の保険会社に…

交通事故 こういうことはあるのかな?

交通事故 こういうことはあるのかな? 依頼者と直接会ってくれない弁護士がいるという。30分話して,その後は直接話をしないそうだ。高次脳機能障害が疑われる事例だが,被害者対応はNGOのスタッフにまかせているという。そんなことがあるのだろうか。 こう…

交通事故 脳機能障害

交通事故 脳機能障害 高次脳機能障害によって、決断力が失われることがある。不安がいつも先行して決められないことがある。子供のようになり、誰かにすがらざる得ない。弁護士としては何度も同じことを説明するが、同じ様に迷う。 こうした事例は弁護士とし…

交通事故 死亡

交通事故 死亡 死亡事故でしばしば問題になるのは被害者側の過失だ。事故現場を検証すると,どうしてこんなところで事故があったのかと思うような事例がある。 例えば,道路の真ん中で寝そべっていたとか,自動車専用道をなぜか自転車で走っているとか,自宅…

交通事故 ヘッドライトと過失相殺

交通事故 ヘッドライトと過失相殺 当事務所では定期的にケースカンファレンスを行っている。難しい交通事故事件について担当者が問題提起して事務所全体で議論する。 今日は過失相殺が問題となった。過失相殺は「判例タイムズ」が過失相殺の特集別冊を出して…