2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

事例を単純化すること

事例を単純化すること 裁判では過去の事実を再現しなければならないため、どうしてもあいまいな部分がある。これを私は「事実の幅」と呼んでいる。裁判は真実に基づいて行わなければならないが、「事実の幅」があるため、立証上有利に展開した方が勝つ。 そ…

交通事故 自損事故条項とその限界

交通事故 自損事故条項とその限界 単独で起こした事故や相手に過失のない事故を自損事故と言います。 自家用自動車保険約款には自損事故条項というものがあって、「運行に起因する急激かつ偶然な外来の事故」の場合に賠償されるようになっています。 ここで…

交通事故 高次脳機能障害の生活被害

交通事故 高次脳機能障害の被害立証 高次脳機能障害の被害の立証では意識障害、脳外傷の痕跡、知能検査などの諸検査など医学的な観点からの被害立証が必要になる。 これらを補足する意味で、事故前後による生活の落差を立証する必要が出てくる。高次脳機能障…

交通事故 へんな書面主義

交通事故 へんな書面主義 保険会社の担当者はある意味非常に専門性がある。彼らは常に自賠責の認定を意識して動いている。また、人保険内部の基準があって、その基準を満たす書面を探しているところがある。だから、いわば徹底した書面主義という側面がある…

交通事故 10mの距離感

交通事故 10mの距離感 私は過失相殺が問題となる事例で、図面や実況見分調書と格闘している。 その中で、10mの距離が問題となっている。一旦停止の停止線から10mの位置で事故は発生した。この10m、時間にすれば1秒もないかもしれない時間の間に何が起こった…

交通事故 併合と等級

交通事故 併合と等級 当事務所で併合をどのように考えるか難しい問題があって事務所で議論になった。 14級はいくら重なっても14級だ。12級が重なると1級上がるが、12級がいくらたくさんあっても11級だ。 問題になった事例は12級が三つ有り、さらに特別な疾患…

交通事故 なんとしても勝ちたい高次脳機能障害の事例

交通事故 なんとしても勝ちたい高次脳機能障害の事例 私は現在、平成15年の交通事故事例を扱っている。 この事例、何年もして高次脳機能障害と診断しされた。事故直後の脳しんとうとか意識障害は記録上見あたらない。MRIやCT、レントゲン写真など画像上明確…

交通事故 交通事故と医療事故が重なる場合の処理

交通事故 交通事故と医療事故が重なる場合の処理 【質問】 交通事故後、数日して母が病院で亡くなりました。保険会社は死亡原因が不明なので事故との因果関係がないとしています。どうしたらよいでしょうか。【答え】死亡の原因が不明であるため正確なお答え…

交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例

交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例 胸郭出口症候群で12級が認められた事例の情報を依頼者からいただいた。 本件は自転車で走行中に左折車と接触して転倒した事例だ。依頼者は胸郭出口症候群となり、手術治療も受けている。自賠責については非該…

交通事故 MTBI

交通事故 MTBI 国土交通省は軽傷頭部外傷について、高次脳機能障害となり遷延する例がありうることから、自賠責における高次脳機能障害の判断の手法について見直しを指示した。その結果、損害保険料算出機構は見直しについて報告書を作成した。 報告書の17頁…

心因性の被害

心因性の被害 交通事故が原因で精神を病むことがある。外傷後の神経症を外傷精神軽症と呼ぶことがある。 例えば、事故後の被害が原因となり精神を病み、外傷性神経症に罹患し、さらにはうつ病となることがある。うつ病は自殺を将来しやすいことから、事故→外…

今日は証人尋問

今日は証人尋問 あえて自賠責の認定をとらないで、直接訴訟に踏み切った事件の証人尋問が今日あった。 被告側は自賠責を通さなかったことにかなりの不満があるらしく、原告(加害者)になぜ、自賠責の請求をしなかったか、弁護士とはどんなうちあわせをした…

積み荷の降ろし中の事故

積み荷の降ろし中の事故 積み荷の降ろし中の事故のことが事務所のケースカンファレンスで議論になり引き続き追及課題となっている。 平成8年5月31日、大阪地裁判決(平成6年(ワ)第6306号)は普通貨物コンテナ専用車からのジョルダーという器具を用いて荷下…

あまりこだわりすぎると負ける

あまりこだわりすぎると負ける 交通事故被害者は人生を台無しにされたりするので、加害者や損保に対する恨みは大きい。裁判ともなれば、いよいよ戦いの場であるということであらゆるところにこだわりたくなる。これはある面正しい。弁護士にとっては日常的で…

荷物の積みおろし中の事故

荷物の積みおろし中の事故 当事務所では所属弁護士の取り扱った事件全部についていつもレビューを行っている。 若い弁護士が積荷おろし中の事故の相談を受けたところ、交通事故として扱えないかが話題となった。 路上に駐車して積みおろししている時に積荷な…

交通事故 調子のいい弁護士

交通事故 調子のいい弁護士 弁護士が裁判する時には、たいてい多めの賠償金額を請求する。法的に可能性ある金額の最大限を提示するのだ。これはやむえないと思う。 しかし、その場合でも、どこが難しいかをきちんと説明することになる。基礎収入はこれほど認…

交通事故 物損

交通事故 物損 物損と人損とは損保でも担当者が異なることが通常です。 自動車を修理に回し、修理会社から損保に連絡が入り、損保の調査員、アジャスターが調査査定します。 この段階で賠償額が決まります。 物損の示談の時過失相殺もあわせて合意します。し…

交通事故 訴え提起前の準備

交通事故 訴え提起前の準備 交通事故だけではないが、訴え提起前の準備が重要であることは言うまでも無い。 今日、長く打ち合わせてきた依頼者と最終の打ち合わせを行った。症状固定前に依頼を受けたわけではないが、症状固定前から何度も打ち合わせてきた。…

交通事故 難しい高次脳機能障害の例

難しい高次脳機能障害の例 高次脳機能障害の場合、そもそも高次脳機能障害であるかどうかが難しいという事例がある。 さらに、高次脳機能障害は明らかだが、何級が妥当か分からないという例もある。 例えば、被害者からの聞き取りからは著しいが、軽い等級と…

交通事故 判決はお得?

交通事故 判決はお得? 示談が得か、裁判が得かという質問があった場合、私たちは判決が得ですと答えることにしています。もちろん、裁判の結果が微妙な事件は躊躇無く示談を選択します。交通事故事件の場合、だいだい先が見通せるので、示談の方が得という…

交通事故 交通の教本

交通事故 交通の教本 交通安全協会が配布している教本は意外に役立つ。 たとえば、制動距離などのデータは役立つし、一般的な交通マナーなどは過失を検討する上で役立つ。 高速道路ではどのように走らなければならないとか、夜間では前照灯を付けた上でどこ…

労災が得か、保険が得か

労災が得か、保険が得か 交通事故ではしばしば労災か、保険か、両方かという選択が迫られます。 症状固定後であれば両方手続きをすればよいということでよいかと思います。労災の手続きをしておいて両方の利益を得るということでそれに越したことはありませ…

交通事故で通院していたのですが、症状固定になり、 後遺症障害診断書を医師に書いていただくのですが、頚椎捻挫の場合はどのような検査を最低限しておいたらよいのでしょうか?

交通事故で通院していたのですが、症状固定になり、 後遺症障害診断書を医師に書いていただくのですが、頚椎捻挫の場合はどのような検査を最低限しておいたらよいのでしょうか? 頸椎捻挫ということですから、画像上は異常は無いということでしょうか。 その…

交通事故による後遺障害認定について。 yahoo知恵袋回答集より

交通事故による後遺障害認定について。 今年の8月22日に弁護士に提出したのですが、認定がでるのがおそいです。相手の保険会社に電話してもかわんないですか???その認定が出てから示談交渉にはいるらしいのですが、早く認定決める方法ないですか?? 認定…

訴状の金額と判決金額 yahoo知恵袋回答より

訴状の金額と判決金額 yahoo知恵袋回答より ご自身の過失が「0確定」の交通事故で、ご自身が「重症の人身事故」に遭い、加害者とその代理人保険会社を被告として、弁護士を入れて裁判を起こしたご経験のある方に伺います。 最終的に受け取った金額は「訴訟…

交通事故 なかなか分からないアロディニア被害

交通事故 なかなか分からないアロディニア被害 交通事故からアロディニアを発症させた事例で、依頼者から聞き取りをした。 アロディニアとは「通常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛としてとても痛く認識される感覚異常のこと。」というように定…

交通事故 ひきにげの慰謝料

交通事故 ひきにげの慰謝料 事故があって加害者がその場を立ち去ることは違法行為だ。まして救護しなければならない状況下で逃げ出すというのはとんでもない。 判例はそのような場合に慰謝料を加算する。 死亡事例では1000万円ぐらい加算することがあるが、…

交通事故 個人経営者の実額主張

交通事故 個人経営者の実額主張 個人経営の場合、確定申告額が過小に行われていることが多い。年間所得が160万円なんてこともめずらしくない。しかし、実際、交通事故の実務では賠償金額算定に際しては、この金額を基準に相手は主張してくる。 これに対抗す…

交通事故 神経症状中心の事件をどのように進めるべきか

交通事故 神経症状中心の事件をどのように進めるべきか 神経症状中心の事件をどのように進めるかは事務所では大きな課題となっている。 後遺障害を争わない事例では労働能力喪失期間をいかに延ばすか、慰謝料を少しでも多くするためにはどのようにしたらよい…