交通事故 「痛み」という被害
交通事故 「痛み」という被害
交通事故での痛みの被害というのはもっともやっかいな被害の一つです。
「痛い」という感覚は言葉で表現できても客観的な所見がある訳ではないからです。
そこで、私たちは「痛み」を医学的な視点にたって分析していきます。臨床の現場では診断に際してどのような痛みであるかを判断していきます。医師らは痛みの種類を分けて聞き取りをし、診断材料にしていきます。
わたくしたち弁護士も同じような作業をいたします。一口に痛いと言ってもいろいろあります。頭痛でもキリキリしたり、後頭部が鈍く重かったりします。首筋から肩にかけての痛みもいろいろあります。しびれと痛みが重なっていることもあります。
医師はもちろん専門的判断ですし、私たちはカルテなどを参考に医師の判断に従い、痛みを聞き取っていきます。ただ、医師と決定的に違うのは、その聞き取りが「被害の立証」と結びついている点です。
痛みがあるために日常生活がどれほど苦痛であるか、どんなことができなくなったか、生活がどのように変わってしまったかと言った具合に日常生活のどんなエピソードと結びつくかを聞き取りながら痛みを具体化します。