交通事故 遷延性意識障害者の寿命
交通事故 遷延性意識障害者の寿命
植物状態になった交通事故被害者の場合、いつまで逸失利益や将来の介護料を認めるべきかについて損保側は争ってきます。遷延性意識障害の患者は肺炎や敗血症のリスクが高く、天寿を全うできることの方が少ないように思われます。
そこで、損保側は逸失利益とは言っても、例えば、事故後10年程度で死亡するなどと主張することがあります。事故のせいで寿命が縮まりましたのに、寿命が縮まったことを理由に賠償金を値切ってくるなどと言うのは信義に反すると思うのですが、裁判実務では争点になります。
しかし、実務的には植物状態の患者があと何年生きるかということは余り考慮されずに判決されています。仮に寿命が縮まったとしてもそれは加害者のせいで生じる事象なのだかそのような主張は許してはなりません。
もし、寿命が縮まるという主張を通すのであれば、早期に死亡するに至ったことで生じる逸失利益や、死亡に対する慰謝料、葬儀費用などが認められるべきですが、話がややこしくなるだけでしょう。