　夫が運転して事故を起こした場合、妻に自賠保険の賠償請求は認められるだろうか。

　自賠法3条は

　「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。」

　と定め、「他人」である場合に責任があるとしている。

　妻は自賠責に言う他人かどうか争いになったことがある。

　加害者が夫の場合、妻に自賠責法上の請求件を認めると、結局は加害者である夫を利することになるのではないかという疑問が起こる。そのため、判例が分かれていたのだが、昭和47年に最高裁は妻にも請求件を認めた（S47.5.30、判時667号3頁）。

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