交通事故 カルテはとても大切
交通事故 カルテはとても大切
被害立証する場合、カルテの証拠価値は格段に高い。裁判所はカルテに書いてあることは一応正しいと見て裁判を進める。そのため、私達は治療経過に沿って、カルテを順番に読み込んでいくことになる。
問題はカルテに書いてない部分をどのように評価するかという点だ。
医師がめんどうがって全ての症状を書かないことがある。あるいは、医師が別の病名に関心を向けた為に症状の記載を漏らすこともある。患者自身が、他の大きな苦痛に目が行き、すべての症状を医師に話さないこともある。
こうした問題はいつも私達弁護士を悩ませる。
結局、結果論的に見ていく他はないように思う。現在の病名があって、そこから振り返ってみると当然事故当初からこういう症状はあったはずだというように推定していく手法だ。医師などはよくレトロスペクティブに見て○○と判断されるというような言い方をする。
こうして推定された症状に、例えば日記、本人の証言、看護記録、何かそれを示唆する資料で補強していくことになる。
こうした手法であっても、まず、カルテに何が書かれているか、カルテに書かれていることと整合性があるかなど、カルテを基準に検討していくことになる。カルテはとても大切なのだ。