交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因

交通事故 胸郭出口症候群の外傷性要因

  胸郭出口症候群(TOS)はもともと体型などから生じることがあります。女性に圧倒的に多く、長首、なでがた、不良姿勢など特徴があります。交通事故では損保側はしばしば体型のせいだと言ってくることがあります。

 しかし、それまでなかった症状が事故後に出てくれば、体型のせいにはできないはずです。損保側の顧問医はこうしたエピソードを全く無視して意見書を作ってきます。

 胸郭出口症候群が外傷によって生じることは確定した考え方です。

 外傷によって斜角筋に強い力が加わり斜角筋に出血、炎症が生じることがあります。こうした出血炎症により損傷を受けた部分が瘢痕化します。あるいは、組織の癒着が起こります。よく傷あとややけどあとが変な組織で膨らんでしまうことがあります。そうした状態が小さな三角の隙間に生じることになります。組織同士の癒着により隙間が小さくなることもあります。

 こうして、隙間が小さくなれば、この隙間を通る神経や血管を圧迫します。圧迫があれば、以上を血流が減少することによる異常、神経叢が傷害されることによる異常が生じることになります。

 医学の教科書では次のように説明しています。
「すなわち、斜角筋が過伸展されることにより斜角筋内に微小出血を生じ、その治癒機転として結合組織の占拠率が増加し瘢痕化した結果、斜角筋の柔軟性が低下し、腕神経叢との間に摩擦を生じやすくなり、神経過敏症状を引き起こし発症すると考えられる。」(最新整形外科学大系13、「肩関節・肩甲帯」279頁)

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