交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例

交通事故 胸郭出口証拠群で12級が認められた事例


 胸郭出口症候群で12級が認められた事例の情報を依頼者からいただいた。
 本件は自転車で走行中に左折車と接触して転倒した事例だ。依頼者は胸郭出口症候群となり、手術治療も受けている。自賠責については非該当とされ裁判となった事例だ(さいたま地裁H20.3.28)。

 判決は胸郭出口症候群であることについては医師の判断を尊重している。また、それが事故によって生じたということについては原告の証言を重視し、事故後に症状が発症したことを認めている。

 この事件について参考になるのは、因果関係を争った被告の主張についての裁判所の判断だ。

 ① 過去の職業、病歴などから事故以前の原因ですでに罹患していたのではないか。
    ← 過去の病歴、職業の存在から事故後に生じたという事情を否定することはできない。

 ② 事故当初頸椎捻挫などの診断名がない。
    ← 初期の段階で症状が完全に分かるという訳でもないから、因果関係を否定する材料にはならない。

 ③ 手術により採取された筋組織に繊維増生がない。
    ← 繊維増生がないからと言って否定する材料にはならない。

 ④ 早期に筋力低下を訴えていること。
    ← 早期に筋力低下を訴えていても否定材料にならない。

 みて分かるように、裁判所の思考方法は次のようになっている。
 ① 担当医師の判断などによって原則的に胸郭出口症候群であると判断している。
 ② それを否定するのであれば、被告から明確な否定材料の提出が必要である。
    この時点で挙証上の責任が転換されている。

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