交通事故 輝度変化をどのように見るか
交通事故 輝度変化をどのように見るか
交通事故ではMRIなど、画像所見で「輝度変化がある」という言葉が出てきます。これは画像上の陰影が通常とは異なる画像となっているような場合をさします。
交通事故で炎症などが起こると水がたまったりするのでその箇所が白っぽくなったりします。この白っぽくなる状態が輝度変化です。どんな場合が輝度変化があると言うかについては専門的な判断なので,私にはよくわかりません。
この輝度変化というのは画像上の問題なので誰が見ても同じようにも思われますが,実際はそうではありません。交通事故後の診断書には輝度変化があって神経の圧迫や傷害が認められるとされていても、自賠責などでは輝度変化が見られないなどしてと非該当にしたり、14級にしたりすることがあります。
交通事故の裁判でも同じ患者でも,いろいろな画像があり常に同じ評価をされるとはかぎりません。こうした問題は結局、被害者にとって一番有利な証拠を選択することというのが原則になります。つまり、まず選択して、有利な証拠はそれなりに正しいと主張立証することになります。
このあたりの選択は医学の判断ではありません。医学的判断は全てを総合して,訴訟戦術上有利なものを選択します。つまり,勝訴という大目標のために最も有利な画像を選択して、どこまで根拠づけられるかを検討します。この点は医療とは思考のプロセスが違います。
こうした発送は普通の人からは違和感があるかもしれません。しかし、私の考えからすれば、すべてを輝度変化で説明できるというのはそもそも大きな間違いで、他の所見と組み合わせたり、被害者の実際の生活を明らかにして行き、その中の有利な証拠として,画像所見もあるのだという考え方でいます。