脳機能障害

高次脳機能障害の認定

高次脳機能障害の認定 交通事故における高次脳機能障害に関する自賠責保険の認定手続きでは特別な扱いとなっています。つまり,特定事案とされ,「高次脳機能障害審査会」にまわされ判断されます。この場合の判断は専門医によって行われます。 高次脳機能障…

交通事故,高次脳機能障害の認定手続き

交通事故,高次脳機能障害の認定手続き 交通事故により頭部に強い衝撃を受けると,脳の機能が害されることがあります。脳はいろいろな情報,記憶を処理したり,情緒や未来へのイマジネーションを生み出したりします。こうした脳の機能が害されるような場合を…

交通事故による高次脳機能障害とアルツハイマーとの区別

交通事故による高次脳機能障害とアルツハイマーとの区別 高齢者が交通事故にあった結果,高次脳機能障害の被害を被った場合,アルツハイマーとの区別がしばしば問題となります。 脳障害の結果,記憶障害であるとか,注意・集中力障害,遂行機能障害,行動障…

交通事故 遂行機能障害

交通事故 遂行機能障害 脳機能障害に遂行機能障害というものがあります。 遂行機能というものは行動を計画,立案,実行する能力を言います。 典型的な障害ではものを秩序だって並べることができないとか,一度決められた行動のパターンを変えることができな…

交通事故 意識障害の重要性

交通事故 意識障害の重要性 高次脳機能障害の認定にあたっては画像上の所見,あるいは意識障害はかなり重要な証拠となります。 名古屋地裁平成17年2月9日判決では意識障害を重視した判決になっています。 これは交通事故により頭部を加害車両のフロントガラ…

交通事故 記憶障害

交通事故 記憶障害 高次脳機能障害の被害に記憶障害というのがあります。 これは交通事故による高次脳機能障害の中でも最もよくみかける被害でもあります。これは検査が比較的やりやすいということなのかもしれません。 記憶障害の検査には次のものがありま…

交通事故 記憶障害

交通事故 記憶障害 高次脳機能障害の被害に記憶障害というのがあります。 これは交通事故による高次脳機能障害の中でも最もよくみかける被害でもあります。これは検査が比較的やりやすいということなのかもしれません。 記憶障害の検査には次のものがありま…

交通事故 失語症

交通事故 失語症 高次脳機能障害の一つに失語症というものがあります。脳の損傷によって一旦獲得した言語機能が失われてしまう症状を言います。 この失語症には聞く,話すというような音声が分からないという失語症や,読む,書くというような文字にかかわる…

交通事故 高次脳機能障害かも?

交通事故 高次脳機能障害かも? 本日の相談は、75歳の女性の相談でした。 交差点ではね飛ばされ、長く意識を失った後に、脳機能障害を受けたのではないかと思われる事例でした。記憶をうまく作れず、日常生活にも困っているようでした。 この場合、将来的に…

交通事故 意識障害の重要性

交通事故 意識障害の重要性 「被告は,原告には,頭部画像において明らかな萎縮等の異常所見は一切認められず,神経心理学的な検査所見によって知能の低下等は認められないなど,医学的所見がないにもかかわらず,原告の頭部外傷後の症状が後遺症害等級第7級…

交通事故 高次脳機能障害と神経心理検査の役割

交通事故 高次脳機能障害と神経心理検査の役割 高次脳機能障害では神経心理検査が重要な証拠の一つとなります。 神経心理検査というのは,知能検査,言語機能に関する検査,記憶検査、遂行機能検査,人格評価法などがあります。脳を損傷されれば通常知能検査…

交通事故 PET,SPECTと高次脳機能障害の判断

交通事故 PET,SPECTと高次脳機能障害の判断 PET,SPECTによって脳内の血流の状況を見ることができます。 「PET」とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略です。SPECTとは、シ…

交通事故 日常生活報告書

交通事故 日常生活報告書 高次脳機能障害の患者さんは知らない人が見たら,「どこが障害?」と思われてしまうことがめずらしくありません。会話程度なら不自由がないにしても,記憶が変であったり,性格が変わってしまったり,疲れやすくなったり,いろいろ…

交通事故 高次脳機能障害の画像所見(びまん性軸索損傷)

交通事故 高次脳機能障害の画像所見(びまん性軸索損傷) 交通事故により脳に衝撃を受けた場合,局所的(部分的)な損傷により血腫(出血)ができたりするので脳に対する損傷が判明します。 しかし,中には出血などを局所的な損傷がない場合もあります。とも…

交通事故 高次脳機能障害労災認定基準

交通事故 高次脳機能障害労災認定基準 交通事故により高次脳機能障害となった場合,その障害の程度が問題となります。交通事故の場合,労災の認定基準が参考にされています(厚生労働省労働基準局長,平成15年8月8日,基発第0808002号) 労災認定基準はこち…

交通事故 高次脳機能障害の画像

交通事故 高次脳機能障害の画像 交通事故における高次脳機能障害は外傷によって生じる脳の器質的障害を言います。器質的というのは脳の本体に何らかの障害が生じた場合を指します。そして,高次脳機能障害を診断する上で最も有力な資料の一つに画像がありま…

交通事故 ある高次脳機能障害の事例

交通事故 ある高次脳機能障害の事例 私が担当した事件で,歩道を暴走した自動車にはねられた事例があります。事故により依頼者は高次脳機能障害となってしまった。彼は判断力、記憶力が低下し、性格も変わってしまいました。 事故前は明快な決断力を持ち,ば…

交通事故 高次脳機能障害と意識障害

交通事故 高次脳機能障害と意識障害 高次脳機能障害は交通事故による脳に対する器質障害を言います。器質性というのは脳が物理的に害されていることを言います。この点,精神障害ととは区別されます。 高次脳機能障害の存在や等級が認定されるに当たっては,…

交通事故 高次脳機能障害の認定システム

交通事故 高次脳機能障害の認定システム 交通事故の衝撃により脳の器質的障害が発生します。自賠責ではそれにそれによって生じた高次脳機能障害が後遺障害の認定対象となります。脳にあつまる様々な情報を統合して情報を処理していく機能を高次脳機能と言い…

交通事故 認知障害

交通事故 認知障害 交通事故によって頭部に強い衝撃が加わると脳に損傷が生じることがあります。その結果,脳の「高次機能」,脳に入ってくる様々な情報を整理して統合する能力が害されることがあります。こが高次脳機能障害です。 この脳機能障害の一つに認…

交通事故 頭部の外傷

交通事故 頭部の外傷 交通事故の後遺障害である高次脳機能障害は頭部外傷によってもたらせられます。 頭部に物理的な衝撃を受けて,脳に損傷が生じることがあります。頭蓋骨内に出血が生じ,硬膜外出血,硬膜下出血,脳挫傷,脳内血腫といった局所性損傷が起…

交通事故 高次脳機能障害と症状固定

交通事故 高次脳機能障害と症状固定 高次脳機能障害は脳機能,つまり様々な感覚やそれと結びつけられた記憶,思考というような高度な脳の機能が壊されてしまうような場合を言います。 この高次脳機能障害では交通事故との因果関係や被害の程度を明らかにする…

交通事故 高次脳機能障害

交通事故 高次脳機能障害 高次脳機能障害は自分では気づかないことがあります。 物忘れがひどくなった,性格が子どもっぽくなったり,怒りっぽくなって変わってしまった,ものがよく見えない,職場でもしかられるようになった,こうした症状はわからないまま…

交通事故 被告医師意見書がMRI画像を理由に高次脳機能障害を否定した事例

交通事故 被告医師意見書がMRI画像を理由に高次脳機能障害を否定した事例 被告医師意見書では「脳に器質的損傷があったかどうかは,画像所見が必要です。」とし,MRI画像を必須であるかのように述べている。しかし,MRI画像の所見は次に述べるように必須なも…

高次脳機能障害では全ての脳機能が害された訳ではない

高次脳機能障害では全ての脳機能が害された訳ではない (ある交通事故被害者事件,裁判ではこういう主張をしています。) 「『高次脳機能障害』という用語は、学術用語としては、脳損傷に起因する認知障害全般を指し、この中にはいわゆる巣症状としての失語・…

交通事故 高次脳機能障害の生活被害

交通事故 高次脳機能障害の被害立証 高次脳機能障害の被害の立証では意識障害、脳外傷の痕跡、知能検査などの諸検査など医学的な観点からの被害立証が必要になる。 これらを補足する意味で、事故前後による生活の落差を立証する必要が出てくる。高次脳機能障…

交通事故 なんとしても勝ちたい高次脳機能障害の事例

交通事故 なんとしても勝ちたい高次脳機能障害の事例 私は現在、平成15年の交通事故事例を扱っている。 この事例、何年もして高次脳機能障害と診断しされた。事故直後の脳しんとうとか意識障害は記録上見あたらない。MRIやCT、レントゲン写真など画像上明確…

交通事故 MTBI

交通事故 MTBI 国土交通省は軽傷頭部外傷について、高次脳機能障害となり遷延する例がありうることから、自賠責における高次脳機能障害の判断の手法について見直しを指示した。その結果、損害保険料算出機構は見直しについて報告書を作成した。 報告書の17頁…

交通事故 難しい高次脳機能障害の例

難しい高次脳機能障害の例 高次脳機能障害の場合、そもそも高次脳機能障害であるかどうかが難しいという事例がある。 さらに、高次脳機能障害は明らかだが、何級が妥当か分からないという例もある。 例えば、被害者からの聞き取りからは著しいが、軽い等級と…

交通事故 高次脳機能障害の立証

交通事故 高次脳機能障害の立証 高次脳機能障害被害者の事件を被害者といっしょに取り組んでいる。 高次脳機能障害の場合、自賠上は血腫であるとかなんらかの脳の外傷の痕跡が求められる。しかし、いつもそれがあるとは限らない。 そこで、それに代わるもの…