交通事故 ある高次脳機能障害の事例
交通事故 ある高次脳機能障害の事例
私が担当した事件で,歩道を暴走した自動車にはねられた事例があります。事故により依頼者は高次脳機能障害となってしまった。彼は判断力、記憶力が低下し、性格も変わってしまいました。
事故前は明快な決断力を持ち,ばりばりの営業マンでした。しかし,事故後はすっかりかわって穏やかな人格に変化しまったのです。判断力が低下したためにすぐに人に対してすぐに反応できないでゆっくりと受け止めていくようになりました。見た目には穏やかな人格になったということになります。自己と言うことを聞いていなければすぐにその被害は分かりません。
被害者の会社はとてもよい会社でした。被害者の生活を考え、従来のポジションは保持されました。職場でもそれなりの配慮され,彼は何とか職場を維持できました。裁判では保険会社はこの点をついてきたのです。
高次脳機能障害を考慮して職場全体で配慮していることをもって,被害は無いと,逸失利益の喪失は無いと反論してきたのです。確かに事故後の所得の点は一応保証されました。日常生活でも知らない人からすればどこが悪いのだろうという感じもありました。
裁判では日常生活の変化を丹念に整理しました。医師の意見書などを提出しました。会社は今は面倒見よく対応していましたが、いつまでもとはかぎりません。昇級には当然影響します。労働能力の喪失は現実にあります。