交通事故 胸郭出口症候群の判断
交通事故 胸郭出口症候群の判断
胸郭出口症候群はむち打ち損傷にともなって生じる、上肢の疼痛、だるさ、しびれ感などを訴える疾患だ。胸郭出口部の複雑な神経系を冒すために症状も多様だ。それ故に、損保側からの攻撃材料も多い。損保の対応は、手術によって直接神経部分の癒着、瘢痕が確認されない限り胸郭出口症候群とは認めないという考えではないかと思う。交通事故分野で胸郭出口症候群を認めさせようという事例では、不定愁訴ありとの主張に対していかに戦うかという点が重要となる。
胸郭出口症候群の診断基準はこのように言われているのではないかと思う。
① 外傷を転機として、頚部から上肢の疼痛、だるさ、しびれ感、冷感など、胸郭出口症候群の症状を訴えていること。
② 肩から上肢にかけての神経・血管圧迫症状が存在し、長期間持続するかあるいは反復性である。
③ Timed Morley test Wright test Roos testのうち少なくとも1つが陽性でその際に愁訴の誘発または増悪が認められる。
④ 頸椎疾患が除外できる。