交通事故 裁判と和解
交通事故 裁判と和解
交通事故裁判ではほとんどの事例で、裁判所は和解を勧めてきます。裁判所の和解案には通常保険会社が従うことが多いようです。裁判所の和解案も保険会社が飲めるような工夫がしてあります。
裁判所が和解を勧める場合、裁判所は事故に対する考え方,心証を示します。普通は判決の結果を告げることはないのですが、交通事故の場合には判決の見込みも伝えることはめずらしくありません。また,裁判所和解案の根拠となった数値も文書で示すこともあります。
裁判しないまま,「示談」で終わる場合,遅延損害金や弁護士費用が出ることがないのが通常です。しかし,交通事故の和解案では、遅延損害金の一部や弁護士費用なども見込んだ金額が提示されるのが通常であるため、判決としてもそこそこ悪くない案が提示されます。そのため、裁判では和解で終わる例はかなり多いのではないかと思われます。
私の場合も、和解が有利という場合もありますから和解を勧めることがあります。しかし,当事者が「まだ納得できない」と迷うようであれば判決をお勧めしています。それは次の理由からです。
① 迷うというのは当然当事者が納得していない。そのため和解すると後悔が残る。
② ある程度判決の見込みが立つので和解案を拒んでも判決で同様の内容が期待できる。
③ 和解案より判決の方が,遅延損害金や弁護士費用が高額になることの方が多い。
④ 過失相殺や後遺障害の程度など争っている部分について勝訴すれば大幅な増額が見込める。
和解案は、交通事故事例では判決になって悪くなると言うことは通常ないと思われますし、私の経験ではかえってよかったと思うことが多いのです。