交通事故 反対車線を逆走した事例
交通事故 反対車線を逆走した事例
交通事件を扱っていると、年に1度ぐらい、反対車線を走行して正面衝突したり、信号無視して衝突した事例の相談を受ける。
こうした事例は、走行中に突然なんらかの発作を起こしたことが疑われることが多い。普通では考えられないような走行をした場合の事故だ。心臓発作とか、てんかん発作とか、あるいは走行中に動脈瘤が破裂したとか、原因はいろいろ考えられる。
こうした事例を扱う場合に、まず、問題となるのが過失相殺だ。
反対車線を逆走するというような事故は非日常的な行動なので、被害者側の大きな過失が問題となる。損保側は加害者の無過失を理由に支払を拒絶することになる。
ここで注意を要するのは任意保険と自賠責保険とでは対応が異なる。自賠責保険においては被害者側の過失について取り決めがある。例えば、死亡のような事例では過失相殺が7割あるような場合でも支払がある。自賠責では「重大な過失」の場合のみ減額となっている。
過失7割から8割 → 2割減額
過失8割から9割 → 3割減額
過失9割 → 5割減額
このような相談ではまず自賠責保険の被害者請求をします。その上で任意保険に対する請求を進めていく。
反対車線を走行するような異常な運転がある場合には、そもそも被害者側に100%過失があるとして自賠責の支払自体を拒絶する場合がある。このような事例では異議申立と言って、改めて審査するよう申し立て手続きを行う。
実況検分調書などと取り寄せ、事故現場を解析する。交通事故の例では加害者側にもなんらかの過失があることが多く、あきらめずに手続きを進めることが大切だ。
私の扱った事例でも、たぶん心臓発作が疑われた事例で、逆走して正面衝突した事例でがあった。当初自賠責は支払を認めなかったが、異議申立によって自賠責が認められたことがある。あるいは、停止している自動車に追突した事故で、これも当初否定されたが、異議申立で認められたことがある。
共通するのは事故現場を徹底的に分析する姿勢です。その中で何か被害者に有利なことを見つけ出すのです。