交通事故 高次脳機能障害の被害者
交通事故 高次脳機能障害の被害者
奥さんが交差点で自動車にはねられたという事件があります。高齢であったこの被害者は頭を強く打ち、昏睡状態のちに意識を取り戻しましたが、記憶を失ったり、判断能力が低下していました。
私が奥さんと話していても、すぐには高次脳機能障害であることがわかりません。日常的な会話はできますし、生活の様子もそこからうかがうことができます。買い物も行きます。
しかし、夫からお話を聞きますと、とても一人では歩かせられないというのだそうです。奥さんは自分で買い物ができると思っていますが、夫にいわせると何でもかんでも買い物カゴに入れてしまいます。計算ができません。お店に行っても一人で帰ってこれるか心配だといいます。食事もへんな食事を作るようになって食べられません。
夫がいつも付き添っています。
この事件は被害者に大幅な過失相殺がありうる事件ですが、被害者に脳機能障害が残ったためにおそらく被害者の証言では事件を組み立てられないでしょう。こういう場合は加害者に対する反対尋問がかなり重要になるかも知れません。