交通事故請求権の時効と異議申し立て
交通事故請求権の時効と異議申し立て
この請求権は請求できるときから3年間請求しないと消滅時効により消滅してしまいます。消滅時効の起算点は通常は症状固定の時期を基準としています。この請求権の消滅時効の発生時期についてはいくつは複雑な問題をはらんでいるので注意を要します。
ところで,後遺障害の認定に対して異議申立をしていても時効期間は進行します。例えば当初非該当で後に異議申し立てによって12級となった場合であっても、症状固定の時期から時効は進行する(最高裁平成16年12月24日)。
損保と交渉していると3年ぐらいあっという間に過ぎてしまいます。時効が心配な場合には損保と交渉して中断措置をとって置く必要があります。
なお、中断措置はいろいろあるので弁護士とよく相談する必要があります。
しかし,症状固定時に分からなかったことが,その後の検査などによって問題点が判明した場合は別です。消滅時効の起算点は「被害者において,加害者に対する賠償請求をすることが事実上可能な状況の下に,それが可能な程度に損害及び加害者を知った時」を意味し(最高裁昭48年11月16日)ています。後からの検査でようやく判明するような場合では後からの検査で被害の内容が具体的に分かったときから起算するとして時効消滅を回避する余地がでてきます。