交通事故 無傷限界値(低速事故と後遺症)
交通事故 無傷限界値(低速事故と後遺症)
無傷限界値という難しい言葉があります。時速5km程度の速度による追突事故ではむち打ち症は起こらないという考え方です。首にかかる力が一定以下では力の場合、人は傷害を負わないと考えるのです。それを無傷限界値と呼んでいます。これは余り科学的なものではありません。無内容ものでも難しい言い回しで飾ればありがたくなるという例の典型だと重み増す。
低速度での追突事故の場合、保険会社は工学鑑定書を提出することがあります。これは、被害車両などの被害の大きさ、ブレーキ痕、道路状況などいろいろな事情から追突速度を推定して、この程度の速度ではむち打ち症は起こらないと結論づけます。との時に,「無傷限界値」以下であるから行為ショウガは無いはずであるというのです。
しかし、そもそもこうした工学鑑定ぞれ自体がそれほど確立した分野ではありません。人体実験の結果そのものもいいかげんです。仮に何か意味があったとしてもこの数値は人は必ず同じ姿勢にいるという前提に立っているこなど一般的に当てはまりません。いいかげんな事情をもっともらしく積み上げていき,最後にもったぶった言葉,「無傷限界値」という言葉で,何か専門的に検討してひびきをもたせます。
私の感じでは実際の裁判では工学鑑定をそれほど重視している訳ではないと思います。確かに低速度で後遺障害を否定した事例でも多いのですが、認めた事例も多いようです。日本損害保険協会委託調査(1999年)でも、低速度でむち打ち症が発症した事例を紹介し、無傷限界論を問題視しています。
私の場合、後遺障害の認定を争うことが多いのだが、事故態様などについて工学鑑定で負けたことはない。彼らはそれほどいいかげんだ。