春の花 シュンラン

春の花 シュンラン
 早春の雑木林は地面まで陽があたります。ふかふかしている去年の落ち葉にそっと咲くのがシュンランです。シュンランは春蘭と書き、園芸でも人気があるため野生のシュンランはすぐに採られてしまいます。なんとかならないでしょうか。

 シュンランの色は薄い緑。透き通った感じが品の良さを示します。遠い昔、私は京都東山の山中でこの花を見つけました。まだ、葉がそろわぬクヌギ林の日だまりに気がつかないほど地味に咲く花に深い喜びを感じたものです。花と契るということがあるとすれば、そういう感情に似ています。