交通事故 脳脊髄液減少症勝訴事例

交通事故 脳脊髄液減少症勝訴事例


 
 最近横浜地裁脳脊髄液減少症勝訴事例があった(H24.7.31、判時2163号79頁)。
 平成17年6月8日交差点で、被害者が自転車運転中に左方より進行してきた自動車と衝突した事件である。原告には頭痛、後頭部痛、背痛の症状があり、裁判所は労働能力喪失率35%(9級10号)を認定した。


 被害者は頚部捻挫などと診断されていたが、強い頭痛などが収まらずいくつかの病院に行った後に、脳脊髄液減少症と診断された。ブラッドパッチが行われて効果が出ている。


 本件は脳脊髄液減少症の診断基準のうち、厚生省中間報告基準を妥当としてそれに基づいて判断した。しかし、この判決によっても同基準を完全に満たすものではないとしている点が特徴的である。同判決は次のように述べる。


「以上によると、原告が脳脊髄液減少症を発症したと確定的に認めることまではできないものの、①北里病院いおいて起立性頭痛であると診断されていること、②厚生省中間報告基準における参考所見が複数見られること、③ブラッドパッチが一定程度効果があったことからすると、原告について、脳脊髄液減少症の疑いが相当程度あるということができる。」


 本件の評釈は次のようになっている。
「仮に現在の医学で解明されていない病態であったとしても証拠上その症状を認定することができ、かつ、事故との因果関係があるかぎり、その症状に応じた等級や労働能力喪失率等を認めてよいと考えられる。」

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