交通事故 過失相殺の基礎知識

交通事故 過失相殺の基礎知識

 過失相殺は公平の見地から被害者側の落ち度を考慮して、賠償額を減額させるという考え方です。民法の条文に基づいています。

 過失相殺は実務では「別冊判例タイムズ 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」に沿って処理されています。これは交差点時の場合はこうなるとか,高速道路で進入した事故はこうなるとか,歩行者と自動車,バイクと自動車との事故といった具合にかなり詳しく事故の種類をあげて,それぞれに過失相殺がどうなるのかという基準を示しています。

 交通事故実務ではこれがある程度参考となり,過失相殺はある程度機械的に決まっていくところがあります。

 しかし、全てがこれで決まる訳ではありません。
 過失相殺というのは本来事故の状況に応じて変化するものですからこの判例タイムズの基準は目安でしかありません。

 一見,判例タイムズの基準から被害者不利であるとしても,うまく整理していくと被害者に有利にもっていくこともできます。その作業は事故状況をよく再現することです。現場を確認し、加害者と被害者の行動がどのように推移していったか、被害者にとって避けられない事故であったかなどです。1割から2割ぐらい変わります。

 私の経験した事例で、赤信号を横断中にはねられた事件がありますが、当初は保険会社は被害者8割負担となっていました。しかし,裁判では最終的には被害者が4割となったことがあります。

 確かに被害者は赤で横断していたのですが、他の自動車が停止してて誰か横断中であることが外形的にもわかり、現場の様子を再現できるよう工夫しました。その結果,裁判所は加害者は横断する歩行者を予見するべきであったと判断したのです。

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