患者の権利章典
患者の権利章典
交通事故では死亡事件、高次脳機能障害、遷延性意識障害と言った重大事故では本人や家族にとって裁判に取り組むこと自体が、事件を受け入れる過程として重大な意味を持ちます。むち打ち症のような神経症状中心の事件では本人の訴えが中心になるため、なかなか分かってもらえないということがあります。
ところで、患者の権利章典というのがあります。
医師と患者との間ではどうしても上限関係が生まれやすいことから提唱された考えです。患者を対等な当事者であるべきだ、医療における主役であるはずだという考え方です。
1972年に米国、ベスイスラエル病院で患者のための権利章典が病院内に掲げられたのが始まりです。このとき、医療の現場で患者の自己決定権、患者に対する十分な説明と同意(インフォームドコンセント)と言った条文が掲げられました。
この患者の権利という考え方は全米に広がり、さらに1981年の世界医師会によるリスボン宣言で採択され国際的な標準となっています。
このインフォームドコンセント、説明と同意、患者の自己決定権の尊重はそのまま弁護士の世界にもあてはまります。事件処理にあたって依頼者に対する説明と同意、依頼者の自己決定権の尊重、依頼者中心の弁護活動、すべて弁護士と依頼者との関係に当てはまります。