交通事故 当事者と会わない弁護士
交通事故 当事者と会わない弁護士
交通事故の相談では、よく他の弁護士の話を聞くことがある。中部地方にあっても、交通事故専門ということで、東京や大阪の弁護士に依頼したという相談者もいる。ウェブサイトなどを見ると、高次脳機能障害とか、脳脊髄液減少症とか難しい案件のことが書いてあったりする。
こうした弁護士の中には当事者からの聞き取りをほとんど行わない例があるのには本当に驚く。カルテを取り寄せ分析してそこで勝負ということだろうか。さらに驚くのは、聞き取りをボランティアの人に任せきったり、難しい依頼者に対して、交通事故ボランティアに断り屋のようなことをしてもらったりしている例もある。本来、自分の依頼者なのだから断るにしろ、なんにしろ、ボランティアに任せようというのはいったいどういる了見なのだろうか。
重度の障害は裁判をするかも知れないが、12級とか14級になるととたんに軽く扱うようになったり、ひどい例になると「裁判をしない」などと言ったりする。等級が出て、等級に従って交渉するのは本当に簡単なことだ。ちょっと交渉すれば確実に損保提案額を上回る。そうした作業に専念しようとするのだ。簡単な示談交渉で利益をあげる、裁判したいという依頼者に怒鳴りつけたり、きつい言葉で言い返したりして、裁判しないようにする例などを聞くと、いやな気分になる。
交通事故を専門にするとうたっていなければ、そういう弁護士もいるのかということで終わらせられるが、いやしく専門家を名乗り、交通被害者の味方に立つと言明するのであれば、12級とか、14級とか彼らにとって小さな事件であっても依頼者によりそう気持ちは示すべきだろう。